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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

はやぶさ。君はどこに落ちたい?

2010年06月15日 | 漫画・アニメ、そして特撮

参ったね。
美しすぎるよ。「はやぶさ」のクライマックス。

本当は鉄のかたまりのくせに、こんなに人を熱くさせやがって。

まるで、意志が宿って、美学という感情を持ち合わせているように見えたよ。

探査機というより、どこかロボットのようにも思えた。

そう、自らの命とひきかえに人類のために尽くして散っていった鉄腕アトムや旧ジャイアント・ロボ(実写版)の最後のシーンのようにも思えた。

かつてのヒーローロボットだった、アトムやジャイアントロボのスピリットが、はやぶさにも注入されていたような錯覚も覚えた。


久々に日本人を元気にさせてくれたよ。

日本人によって打ち上げられた探査機は、人類に明るい希望をくれたよ。

そして、文字通り、星になった。

これこそ、国民栄誉賞ものだね。

ネット上では、はやぶさを擬人化してとらえる人が多いが、これまでのいきさつや、今回の有終の美を見ると、なるほど、無生物とは思えなくなった。
はやぶさが燃え尽きてゆく前に最後に撮った地球の写真を見ると、まるで機械が、自分の意思を持って泣いてるようにも見えた。
母星を前にして。


昔「スタートレック」という映画で、ヴィージャーという謎の生命体(?)が出てきた。
実はそのヴィージャーとは、かつて人類の手によって打ち上げられたロケット、ボイジャーが何者かの手によって知能を持つにいたった姿だった。

この「はやぶさ」にも、何かそれに通じるものを感じてしまった私はヘンだろうか?



こんなに美しく、切なく、人の心を明るく照らした流星、見たこと無い。
こんなにかっこよく、誇らしい流れ星、見たことが無い。


特に、読売のこの写真は、たまらない。
こちら↓

http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20100613-OYT9I00808.htm



この流れ星になった姿、私はある漫画を思い出した。

それは「サイボーグ009」の1シーンだ。

しかも、漫画史上に残る名シーン。

かいつまんで書いてみる。
細かいところが違っていたら、ごめんなさい。


ブラックゴーストと成層圏での最後の(?)戦いを終え、力尽きて地球に落ちてくる009を、仲間の002が助けに行く。
メンバー中、唯一飛行能力を持っているのが002だった。

だが、、002の足に装着(?)されているロケットのエネルギーは、重力圏突破でほとんど使い果たしてしまっていた。
落下していく009を002が見つけて掴んで助けようとした時にはもう飛行能力を使うことはできなくなっていた。

薄れてゆく意識の中、002は009に語りかける。
「どうやらぼくらも最後らしいよ。重力圏からの脱出で、エネルギーを使いはたしてしまったようだ。
すまん、せっかく君を助けにきたのに。」

009は絶叫する。
「この手を離せ、ジェット(002の本名)!!君一人だけなら助かるかもしれないじゃないか」

002は答える。
「そうはいかないよ。僕らは約束したじゃないか、死ぬ時は、一緒に・・と。」

009は002に抱きかかえられながら、なおも叫ぶ。
「だめだ!ジェット(002の本名)! 無駄死にしては・・」


いよいよ大気圏突入。迫る地球。
二人は・・燃え尽きようとしている。炎に包まれる。


この時、002は言う。万感の思いが込められた、それは最高のセリフだ。

「ジョー(009の本名)、君はどこに落ちたい?」


009は、もう言葉すら見つからない。
「・・・・・・」。



抱き合った二人は、一つの流れ星となって、尾を引いて、燃えながら地上に落ちていく。

その流れ星は、今回の「はやぶさ」とそっくりだ。

その流れ星を見た、ある少女は、009と002の流れ星に「星に願い」をかけた。

その願いとは・・・「世界が平和になりますように」ということだった。


では、この「流れ星になったはやぶさ」には、何を願おうか。

やはり・・


「何度転んでも、立ち直れますように。
そして・・
科学の発展が、人類に平和をもたらしますように。」


それが、はやぶさの流星にかける願いとしては、個人的に一番しっくりくるかな。


はやぶさはボロボロになりながらも、使命を果たし、流れ星となって消えた。
そのチリは、今後大地に雨や雪になって降りてくるものもあるのかもしれない。
あるいは、いつまでも上空を漂い続けていくものもあるのかもしれない。

はやぶさは「千の風」ならぬ「千のはやぶさ」となって、人類を見守るのだ。


はやぶさから放たれたカプセルは、はやぶさの遺品ではなく、地球に残した遺伝子なのだ。

きっと。


泣くのは、いやだ。

だから、明るくこう言いたい。

「最高に、美しかったよ、はやぶさ!!」

そして、こうも聞きたかった。

「はやぶさ、君は、どこに落ちたかった?」


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