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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

レコード時代のシングルのB面曲(例えば拓郎の「竜飛崎」)

2017年01月11日 | 音楽全般

CDが登場する前の音楽界は、長らくレコードの時代であった。

やがて、レコードはCDに取って代わられ、そのCDにしても、ダウンロードなどの登場により、売れ行きが落ちたとも言われている。

 

とはいえ、個人的な印象で言えば、確かにダウンロードは一般的にはなっているものの、完全にCDを凌駕するところまでは行っていない気もしている。

にもかかわらずCDの売り上げが落ちているというのは、必ずしもダウンロードだけが原因ではないような気はする。

日本人は、やはりパッケージされたものが好きなようだし。

ダウンロードでは、ジャケットもなければ、解説や歌詞ブックレットもないし、だいいち実体がない。

そういう要素もあるのではないか。

 

最近では、アナログレコードが見直されてきている・・・そんなことも耳にした。

まあ、昔ほどの隆盛まで戻るかどうかはともかく。

 

CDでもアルバムとシングルはあるが、当然レコードにもあった。

というか、レコードにアルバムとシングルの区別があったから、CDの時代になっても、それが受け継がれたのではないか。

 

CDシングルは私は数枚くらいしか買った覚えがない。

わずかに買ったCDシングルでは、メインの曲の他に、そのカラオケ版なども収録されていた。

一方、レコードの方では、A面とB面が完全に別れていたので、A面とB面で別々の曲が入っていた。

通常、シングルレコードのB面曲というのは、オマケ的な感じの曲だった。

もっとも、CDシングルでの、メイン曲のカラオケ版という音源も、オマケという感じはあったが。

 

どちらにせよ、シングルでのメイン曲以外の音源は、それがメイン曲のカラオケ版にしても、あるいは別曲だったにしろ、オマケ的な感はあった。

 

なので、A面曲に比べB面曲は、少し弱い立場の曲だった。

曲の出来も、A面曲のほうが良い場合が普通であった。出来が良い悪いは主観にもよるので、あえて言えば、おおむねキャッチーで派手な曲の方がA面になりがちだった。

 

そういう風潮が普及していたので、時にはB面曲は手抜き的な印象がある場合もあった。

 

宣伝も、A面曲に比べたら格差があったりした。下手したらスルーされたりもした。

 

例えばソングライターを複数抱えるバンドがシングルを出す場合、メンバーの誰の曲がA面になるかで競うこともあったようだ。

例えばビートルズ。

そんな場合、当然、ソングライターとしては、自分の作った曲がA面をとりたいと思うものだ。

やはり、そこでもB面曲というのは、A面曲に比べ少し陰の存在ではあった。

 

だが・・そんな立場の弱いB面曲でも、例外もあった。

アーティストの意向などで、A面B面の区別のない、両A面扱いにすることもあった。

その場合、A面でヒットし、その後B面でまたヒットしたり。

また、時にはA面曲よりもB面曲のほうが受けてしまう場合もあった。私自身も、A面よりもむしろB面の曲の方が好きになることも、ままあった。

例えば、吉田拓郎さんのシングル「シンシア」では、私はむしろB面の「竜飛崎」の方が好きだったぐらいだ。もちろん、A面も良かったけどね。

少なくても、B面の「竜飛崎」は、A面の「シンシア」に勝るとも劣らない名曲だと、今も私は思っていたりする。

https://www.youtube.com/watch?v=1VoSxESW8gs

 

B面でも、稀なケースとしてヒットしてしまえば別だが、あくまでもA面曲のオマケ的な立場だと、往々にしてそのアーティストのベストヒットアルバムを出す時や、コンサートでの選曲では、B面曲は選ばれにくかったりする。

 

だが、ベストヒットアルバムに選ばれなかったり、コンサートで取りあげられにくい存在のB面曲であっても、カルトなファンはついていたりする。

カルトなファンは、時には大ヒットしたA面曲よりも、あまり話題にならないB面曲の方が好きだったりすることもある。

 

カルトなファンにとっては、そのアーティストの有名曲以外の隠れた良い曲を見つけるのが楽しみだったりもする。

だから、とかくベストヒットナンバーが並びがちなコンサートで、カルトなファンに人気のある「隠れた名曲」が披露されたりすると、かなり嬉しいものだ。

だが、コンサート時間が短い場合は、そういう曲まで披露されることは少ない。

 

アーティスト側にしてみれば、めったにやらない「隠れた名曲」を選曲するのは、それはそれで楽しいことだと思う。

ある種の「サプライズ」的で。

だが、最大公約数であるヒット曲をやらずに終わると、ファンの多くは納得しなかったりもする。

最大公約数であるヒット曲をやるのは、ファンへのサービスでもあるだろうし。

多くのファンが、それを目当てに会場に来ているだろうし。

 

そんなことを考えると、やはりB面曲ってのは日陰な存在ではある。

もっとも、そんなB面曲にしても、ヒットシングルのB面におさめられている場合は、ヒットシングルを買った多くの人に一度は聞かれているから救いはある。

 

B面曲よりももっと不利なのは、アルバムの中の1曲。

「捨て曲」みたいに思われている「アルバムの中の1曲」などは、シングルB面曲よりもさらに立場は弱い。

へたしたら、ほとんど人前で披露されないまま、いつしかそのアーティストの選曲から外れてしまって、浮上してこない場合もある。

 

それが本当に出来の悪い曲ならともかく、密かにカルトなファンがついている曲などもある。

そんな曲でも、アーテイストがヒット曲が多かったりすると、ついライブのセットリストからは外れることになる。

 

例えば、・・・ヒット曲や人気曲が多いという意味ではビートルズがそうだが、仮にビートルズが今も現役だったとしたら、ヒット曲や人気曲が多すぎて、アルバムの中の1曲でカルトな人気のある曲などでも、どうしてもセットリストから外れる曲も多いはず。

個人的には、例えば「トゥマローネバーノウズ」とかね。

なにせ、ポールのソロのコンサートでも、「ミッシェル」ほどの名曲・ヒット曲でもセットから外れたりするぐらいなのだから、シングル化されなかった「アルバムの中の1曲」だと、コンサートではどうしてもカットされるだろう・・。

 

 

いっそ、ベストヒットアルバムからは外れがちな「隠れた名曲」を集めたコンピレーションアルバムでも出たら面白いかもしれない・・・そんなことを考えたことが、私には何度もある。

 

そうなったら、シングルのB面曲などは、脚光を浴びることも多くなったかもしれない。

 

 


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