ファミコンで人気に火がつき、その後急速に普及した「家庭用ゲーム機」。
ファミコンや、その後継機であるスーパーファミコンが人気があったのはもちろんだったが、それ以外にもハードは何種類も出ていた。
今回とりあげるのは、当時出ていたゲーム機「PCエンジン」のゲームソフト「天外魔鏡2」である。
天外の第1作が出た時、ゲーム雑誌のソフトレビューコーナーでは、天外の第1作を「けたはずれのスケール」と表現していた。
そのレビューが気になり、会社の同僚から中古の「PCエンジン」を安く買い取り、早速「天外」の第1作を遊んだ時、まず音楽を坂本龍一が担当していたのに驚いた覚えがあった。
内容の方は・・実は最後までクリアできなかった気がする。
というのは、ハードに不具合があったのかどうかは知らないが、読みこみがうまくいかず、途中でゲーム続行を諦めてしまったからだ。
ちょっと遊んだ感じでは、確かに当時のそれまでのファミコンゲームとは1グレード高い内容には思えたので、途中で続行が難しくなってしまったのを、かなり悔しい思いでいた。
やる気・・というか、遊ぶ気はマンマンだったのだが、いかんせん読み込みがうまくいかなかったのは、いかんともしがたかった。
そんな頃・・しばし時間的経過があり、天外の続編が出ることになった。
これにも私は飛びついた。
今度こそ読みこみがスムーズでありますようにと願いながら。
で、始めたのだが・・・いやあ、これは驚いた。
ともかくイベントに次ぐイベント。
PCエンジンのゲームでは、イベントでのアニメーション部分に声が出ることはわかってはいたが、それがそれぞれ予想以上の仕上がりぶり。
しかも、登場人物のキャラが「立ち」まくっていた。
味方では、カブキ団十郎のキャラが目立っていたが(ちなみに、主人公はおしなべておとなしい)、なんといっても、敵キャラの「立ち方」は特筆ものであった。
個性豊かな敵キャラこそが、このゲームを名作にしていたようにも思う。ともかく、強烈で魅力があった。
強烈な敵キャラは多数いたが、中でも序盤のボス「菊五郎」、中盤から後半にかけてのボス「デューク・ペペ」。そして、敵というほどではないが、決して味方でもなかった「足下3兄弟」、地獄釜の肉助(ニック)、そしてマントーなどは、忘れられない。今でも。
菊五郎と、カブキ団十郎とのアホな変身合戦。
デュークペペの交錯した主人公への思い。
プロモーション映像まで作って主人公に戦いをいどむ、間抜けなマントー。
このへんのアニメーションと、そのキャラぶりは、今でもはっきり思い出せる。
菊五郎とカブキ団十郎は、ある意味似たようなタイプで、それゆえ互いのライバル心も強かった。
デュークペペは、ともかくしつこい。とことん主人公につきまとってくる。
しかも、新たに登場するたびに、能力がアップしており、しまいには主人公に勝つために自身の姿を非常に醜くみじめな姿に改造してまで出てくる。
「お前に勝つために、俺はとうとうこんな姿になってしまったよ。俺にはお前しかいないんだ。愛してるよ。」のセリフは、とうてい忘れられないし、敵でありながらも、あわれに思えた(笑)。変質的なキャラだが、かわいそうな奴でもあった。
マントーは前作にも登場したキャラで、天外の名物キャラ的な敵であった。
だが、相当まぬけなキャラで、決して可愛いルックスではないのだが、どこか愛すべき敵であった。
また、プレイヤーがあやつる主人公たちが、それらのボスに負けてしまうと、敵ボスはかなりバカにしたようなセリフを吐いてきた(笑)。
そう、そのセリフは、主人公たちが負けないと、プレイヤーは聞けないのだ(笑)。
もしかしたら、それが聞きたくて、わざと負けてみたプレイヤーもいたかもしれない(笑)。
戦闘シーンは、難易度はほどほど。バトルではある程度の戦略性も必要だったが、難しすぎず、かといって簡単すぎもしない。
主人公たちのステータスを向上させる武器や防具は、かなり細かく色んな種類が登場し、新しい町に辿り着くたびにいちいち買い直していたら、銭がいくらあっても足りないぐらいだった。
RPGお約束の魔法みたいなものも存在したが、それと並行して、各キャラが覚える特技も重要だった。
特技は、アニメーションが出てくるイベントにも重要な要素としてからんできたのを覚えている。
魔法とは別の概念「特技」という設定は、その後のゲーム・・・特にRPGには、与えた影響は大きかったのではないだろうか。
「特技」もうまく使いこなさないと、ゲームを進めるのはしんどかった覚えがある。
このゲームを開発中、スタッフは、一定のペースごとにイベントを発生させるのには、こだわりがあったように思う。
ともかく、イベントでのアニメーションは印象深く、その要素は以後のゲームにも影響を与えたのではないだろうか。
このゲームを遊びながら、「こりゃ、すごいゲームだな・・」と思ったことを私は覚えている。
間違いなく当時の頂点クラスのRPGだと思ったし、その後名作として語り継がれていくことになるだろうと思った。
当時のファミコンやスーパーファミコンでの名だたるRPGの名作「ドラゴンクエスト」とか「ファイナルファンタジー」などを、PCエンジンというハードのゲームで超えようとしている気がした。
実際、開発中にそういう気概はあったのではないだろうか。
作品のあちこちで、開発スタッフの意気込みと、やる気があらわれている気がした。
当時、ゲームファンの中には、ファミコンやスーパーファミコンは持ってても、PCエンジンというハードは持ってない方もいたはず。そういう人はこの「天外2」は遊べないんだよなあ、ちょっと気の毒かも、、、このゲームを遊びながら私はそんなことも思った覚えがある。
「天外」シリーズは、この作品の出来もあって、人気シリーズとなり、その後も新作が出た。
たとえば、この「天外2」に出てきたカブキ団十郎を主人公にした、ある意味スピンオフ的な外伝。
もちろん、ナンバリングタイトルの新作も、別ハードで出たと思う。
だが、やはりこの「天外2」にはかなわないと思った。
天外シリーズでは、私の印象ではやはりこの「2」が最高傑作だと思う。
ストーリーの流れの中で一定のペースで起きるイベント、イベントでのアニメーション、キャラの「立ち方」、特技、ストーリーの長さ・・など、その後のゲームに与えた影響などを考えると、RPG史上・・・いや、ゲーム史上に残る金字塔的な作品・・・それがこの「天外魔境 2」だったと思う。
ゲームが登場してから長い年月が過ぎた今でも、印象深く思い出せるシーンは多い。
ちなみに、この「天外2」の音楽を担当したのは、あの久石譲さん。
そのため、さすがに音楽も非常に印象的で、記憶に残る作品群だった。今でも私は口ずさむことがあるくらい、魅力的だった。特にフィールドを歩く時のBGMは、今でも大好きであり続けている。
久石さんのファンの方は、その音楽を味わうためにもこのゲームを体験する価値はあると思う。
それにしても・・天外1の時の音楽担当は坂本龍一さんで、天外2では久石さんだなんて、なんとも贅沢。
その点でも、いかにこの作品にメーカーが力を入れていたかがうかがい知れる気がする。
この作品にかける鼻息は荒かったはずだ。。
で、その意気込みは、この作品の出来には見事にあらわれていた。
私も、絶対に気に入るゲームですね。
『ドラゴンクエスト』のように各々ステージBGMの魅力、主人公たちの個性、敵キャラクターのバラエティー豊かさ、そして痛快な台詞の数々。
どれが欠けても、評価は削られます。
まさしく「どこにも手抜きしないゲーム」だからこそ、『天外魔境』も一世風靡したのでしょう。
特にボス格の台詞、私も大好きなんですよ(笑)
『ドラゴンクエスト4』なら、「よく来たな小僧ども。度胸は誉めてやる。しかし地獄を見るがいい!フハハハ」など(笑)
しかし、「主人公が敗れなければ、聞けない(ボス格の)台詞」は新鮮ですね。
バリエーションが幾つかあるなら、全部聞くまで、わざと主人公を死に追いやります(ひどいプレイヤーですね)(;>_<;)
今なら、YouTubeで、だんぞうさんも視られなかったエンディングも視られることでしょう。
しかし、YouTubeで視ているだけでは我慢できずに、再びゲーム再開したくなりますね!
ただ、イベント時にアニメーション画面に切り替わり、しかもキャラがしゃべりまくる、、、というのは、それまでファミコンゲームに慣れていた私には新鮮でした。
PCエンジンのRPGにはそういうゲームがけっこうありました。
そのへんでPCエンジンはファミコンとの差別化を計っていたのかもしれません。
そういや私はもう何年も家庭用据え置き型ゲーム機ではゲームは遊んでません。
久々に、大画面でゲームをやりたいです。
ドラクエや「ぼくのなつやすみ」の新作を大画面で遊びたいです。