私には骨折体験が1~2度しかない。
というか、「1~2度しかない」なのか「1~2度ある」なのか、どう表現していいかわからないのだが。
世の中には何度も骨折した人もいるだろうし、逆に骨折したことがないという人もいるだろう。
1~2度という表現をしたのは、1度は確実によく覚えているからで、もう1度あったかどうかはっきり覚えてないのは、古い写真を見ると右手の指を固定して包帯まいてる写真があるからだ。
だが、その時どんな怪我だったのか、よく思いだせないのだ、
そのあやふやな1度というのは、友人と福島にドライブに行った時に、山奥で撮った写真に写った私が右手の指を固定して包帯まいてる姿。
固定して包帯をまいてる・・ということは、骨折でもしてたんじゃないかという推測があるのだが、どうもよく思いだせない。
その時は車を友人と二人で交代で運転していたはず。
ということは私は骨折して指を固定して包帯まいてる状態で運転してたことになる・・。
もし骨折していたのなら、そんな私に運転させる友も友だが、実際に断らずに運転してた私も私ではある。
右手の指を骨折してたのだとしたら、ギターなど弾けなかったに違いない。
しかも、骨折というのは治るのにけっこう時間がかかる。
その間ずっとギターを弾けなかったのだとしたら、それなりにその時の状況を自分で覚えていてもおかしくない。けっこう長い間弾けなかったはずだし。
でも、よく覚えてない。
ということは、単にねんざとか突き指だったのかもしれない。
で、よく覚えてる骨折体験は20代後半の頃のこと。
当時、会社の別荘が伊豆にあったので、予約してそこに行った時。別荘はそれなりの広さはあったが、一日中室内になどいるわけがなく、車で周辺ドライブをしていた。
その時に、海辺の岩場にも行ったりした。
岩場の岩の上に乗っかった時、私は足がすべって大きな岩から転落してしまった。
落ちてる最中に、このままだと後頭部を打ちつける・・と思った私は、後頭部をうつのを回避するため、落ちながら体を反転させた。で、その結果左胸を、岩の下にあった岩にうちつけてしまった。
激痛が走った。だが、後頭部をうつよりはマシだと思った。
とはいえ、下の岩に叩きつけられた左胸の痛みは尋常ではなかった。
手首からは血が出た。
その時の印象としては、左胸も激痛だったが、血が流れている左手のほうが目立ったし、気になった。
ともかく痛くてたまらなかった。
その日は、ちょうど東京に帰る日だった。
なので、友と車の運転を交代しながら、一路東京を目指した。高速を走ってる最中で雨が降ってきた。
しかも、その雨はどんどん勢いを増していった。
私は痛む左胸と、出血してる左手を若干かばいながら、一刻も早く帰宅したいと思って、けっこう飛ばした。
早く家に帰り、ゆっくり休みたかったから。
高速道路は豪雨のため、視界が悪かった。道路は濡れていたし、本当はゆっくりめで走るべきだった。
だが、私は胸と手の痛みがきつくて、一刻も早く帰宅したかった。
なので、痛む腕ではありながらも、かなり飛ばしてたと思う。
結局無事に帰宅はできたのだが、後で思いだすと、自分はなんて危険な行動をとってたのだろう・・と思い、少しゾッとした。
とにもかくにも無事に帰れてよかった。
その日はすぐに就寝。一晩寝れば少し痛みはひくかと思ったし。
だが翌日になると、痛みは更に増してきた。
でもその日は丸一日休めるので(まだ夏休みの日程の最中だったので)、丸一日寝ていた。
次の日こそは少し痛みはマシになってるだろうと思った。
だが・・甘かった。
更に翌日になった。すると・・痛みはまったくひかない。それどころか増してる気さえした。
そこで仕方なく医者に行った。
そうしたら・・・医者に怒られた。
「なんでもっと早く来なかったのですか。肋骨が折れていますよ。よくこんな状態で我慢できましたね」と言われて。
私はとりあえず、「見た目」的に手首の出血のほうが派手だったので、その出血が収まったことで、甘くみてたのかもしれない。胸の痛みを。
大きな湿布をはり、包帯で体をぐるぐる巻きにされ、固定された。
多分・・会社はその後数日は休んだような気がする。
この骨折体験はよく覚えてる。
とんだめにあった骨折体験だったが、この体験は多少なりともその後の自分に役だったこともあった。
それは酒だった。
それまでの私は毎日酒を飲んでいた。休肝日をつくらず、毎日風呂からあがると酒を飲んでいた。
だが、この骨折体験の時、医者から「しばらくはお酒はダメですよ」と言われた。
ただでさえ医者にかかるのが遅れたのだし、酒ぐらいは医者の言うことをきいてしばしの間断つことにした。
かわりにウーロン茶などを飲んでごまかした。
しばらく酒を断つ日が続くと、それまで毎日酒を飲んでた私のライフスタイルに変化がおきた。
酒をがまんできる日を作れるようになったのだ。
まあ、その代わりに、ウーロン茶のペットボトルはきらさないようにはなったが。
やがてその骨折はなんとか直った。かなり時間がかかったけど。
だた、骨折から直った後の私は、骨折前にはつくれなかった「休肝日」を作れるようになり、毎日は酒を飲まないでもいられるようになった。
もしその骨折体験がなければ、休肝日をつくる習慣はできなかったかもしれない。
そういう意味では、その骨折体験は多少なりとも、その後の私に役だったことになる。
そう思うことにした。
休肝日をつくれるようになったきっかけとなったのが、その「はっきり覚えてる骨折体験」だ。というか、だからこそその体験をよく覚えてるのかもしれない。
一方、前述の右手に包帯巻いて手首と指を固定してた時の状況は・・どうも思いだせない。
福島にドライブに行った時の古い写真に写ってる私が、右手に包帯をまき、指を固定してるから・・・多分その時骨折してたのだろうと思うわけで。
でも、先にも書いたが、よく思いだせないということは、前述の通りやはり単なる突き指か何かであった可能性も高い。
上記の2回の(?)骨折体験で共通してることがある。それは骨折してるのにもかかわらず、車の運転をしてたということ。しかも遠出だった。
今考えると、伊豆で骨折した帰り、土砂降りの高速を、飛ばして運転した日・・・・よく無事に帰宅できたものだ・・・と思う。その日のことを思い出すと、我ながら怖い。
まあ、あの時は自分がまさか肋骨を骨折してるだなんて、思わなかったからなあ。
貴方にはそんな体験、ないだろうか。
ちなみに、1〜2年ほど前に私が道で転倒した時、かなりひどく右手を道路にうちつけた。
その時の痛みの具合からいって、てっきり骨折したと思った。
幸い、簡易レントゲンで診てもらったところ、骨折はしていなかったようだったが、細かいヒビは入ってたと思う。
なにしろ痛みが長期間ひかなかったから。
ただ、細かいヒビまで見極めるとなると、大きな病院で大掛かりな検査をしなければならなそうだったので、「とりあえず骨折まではいってなかったからよしとしよう」と思った。
ただ、転倒した時「うっ・・久々に骨折したか・・」と思ったのは確かだった。
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