今ではもう完結して,企画は終わってしまったけれど、日本百名山を、一筆書きのルートで踏破するというチャレンジのドキュメント番組「グレートトラバース」。
実はこの番組、最初はその存在を私は知らなかったのだが、途中でこの番組を知り、なんとなく見始めたらけっこうハマってしまった。
アドベンチャーは田中陽希さん。一つの山の山頂を極めても、すぐに次の山にいどんでいった。
なにしろ、そのペースがスゴかった。一つの山の山頂を極めるだけでも大変なのに、間髪いれずに次の山を目指した。
しかも、その進み方が「歩き」ではなく、基本「走り」だった。体力もスゴイ。
よくそんなペースで続けられるなあと、あっけにとられながら私は見ていた。
前述の通り、このチャレンジはもう完了しているし、本放送はとうに終わっている。私がこの番組に本格的にハマったのは、再放送を見て・・だった。
この番組を見ていていつも思ったのは、前述の通り「田中さんのペースと体力」なのだが、それと同時に感じていたのが、「田中さんもスゴイが、それに同行して撮影していたカメラマンもスゴイ」ということ。
田中さんに負けないぐらい、スゴイと思った。
この企画のカメラマンが何人いたのかは私は知らない。
きっと、地区によって、違うカメラマンが担当していたのではないかと思えるのだが、もし・・・もしもカメラマンが1人しかいなかったら・・というか、百名山踏破の撮影を全て同じカメラマンが撮ったのだとしたら、へたしたら田中さん以上にスゴイということになってしまいかねない。少なくても私の感覚ではそうだ。
なにしろ、田中さんが進むルートは、かなり険しいルートだったりするし、しかも田中さんのペースが早い、早い。
それにカメラのような重たくかさ張る機材を持って、田中さんのペースについていったわけだから、驚異的だ。
もちろん、時には、専属のカメラマンではなく、田中さんの体に装着したカメラでの映像もあった。
だが、カメラマンが、この田中さんを追いかけていたのもまた事実。
田中さんの進むルートは、一歩足を踏み外したら命を落とすようなルートもけっこう多かった。
例えば、高い山の山頂付近の「鎖場」のルートなど。
斜面の足場も、角度もかなり険しく危険。
そんな場所で撮影するなんて、本当にカメラマンも命がけだったはずだ。
田中さんを襲う「自然の脅威」は当然カメラマンにもふりかかる。
しかも、田中さんと違って声を出すわけにもいかない。
そう考えると、少なくても田中さんと同じぐらい強靭な体力がないと、とてもじゃないが務まらなかっただろう。
あ、ルートのしめくくりで、田中さんは本土から利尻島まで単独でカヌーで移動した。
それを撮影していたカメラマンやディレクターは船だったようだ。
まあ、カヌーに乗りながらの撮影はさすがに無理だろうし。
実際、田中さんが利尻島に向かった日は、波も高かったし、田中さん自身利尻に向かう途中の海で、カヌーがひっくりかえったりしていた。
そんな環境で、カメラマンまでもがカヌーに乗って撮影するなど、まず不可能だろう。
なにせ、カメラが水没したら、大変なことにもなるし。
そんなことを考えると、やはり田中さんの方が過酷ではあると思う。
だが、それに負けないぐらい撮影も大変であることは事実だと思う。
ホント、映像を見ながら、田中さんに感心しながら、同時に私はカメラマンにも感心していた。
このカメラマン、スゴイと思いながら。
撮影してる時、目はカメラで写した映像を見ているはず。
となると、肉眼に比べ視界は限られるはず。
山の斜面の危険な場所では、視界のせまさは、危険性という意味では、肉眼で景色を見ている人以上だったと思う。
まさにあの企画は、田中さんとスタッフ・・特にカメラマンのコラボだったのだと思う。
少なくても、テレビで見れるように「番組(作品)として残してくれた」事実は、そうだ。
だから、田中さんにも、そしてカメラマンをはじめとする現場スタッフにも、心からの労いを伝えたい。リスペクトの気持ちと共に。
最後にもう一回、繰り返して書いておきたい。
「田中さんは文句なくスゴイ。だが、重たい機材をかかえて、田中さんのペースについていったスタッフも、同じぐらいスゴイ。」
なお、写真はグレートトラバースとは無関係です。
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