先日、電車に乗った時。空席を見つけたので座ろうとしたら、座席の上に何か丸いものが乗っかっていた。
よく見ると、それはカナブンだった。
要するに、空席を1匹の小さなカナブンが占領してたのだ。
ゴキブリなら私もその席を諦めたかもしれないが、相手がカナブンなら・・と思い、手で床に払いのけた。
ゴキブリが相手なら、手で払いのけるのも嫌だし。
すると・・
そのカナブンは飛び始めてしまった。
それまでのそのカナブンが座席の上で動かないでいたのは、眠っていたからだったのだろうか。
それが、私に手で払いのけられたために、目覚めてしまったのだろうか。
ともかく、ブーンと飛び始めた。
私はその虫がカナブンであることを知っていたから大丈夫だったが、他の座席に座っていた乗客たちはその虫がカナブンかどうかは分からなかったようだった。だから余計に始末が悪かっただろう・・。
カナブンは飛び時に、けっこう重たそうに飛ぶ。
蝶のようなヒラヒラでもなければ、トンボのようなスイスイでもない。ましてやセミのような、シューッでもない。
よっこいしょ、よっこいしょ・・という感じで重そうなので、飛ぶ高さはあまり高くなく、せいぜい人間の目線あたりの高さだ。
それが電車の中の空中を、あっち行ったりこっち行ったりし始めたのだ。
その重たそうな飛び方は、遅いうえに、近くで見ると妙に迫力みたいなものがあるもんだから、そのカナブンの向かった場所にいる乗客は皆よけたり、席を移動したりしはじめた。
たとえ自分の目の前にその虫がいない人でも、いつその虫が自分のところに向かってくるかわかったもんじゃないから、皆がその虫を注目している。
そう、たった一匹のカナブンのせいで、電車の中はちょっとした騒ぎ(?)だった。
まったく、カナブンもカナブンだ。
早いとこ、自分の居場所を決めればよさそうなのに、いつまでたっても、あっち飛んだり、こっち飛んだり。
まあ、落ち着かないこと、この上なし。
言えることは・・・
そのカナブンが飛び始めるきっかけになったのは・・・この私だということ。
席にいて大人しく寝てた(?)カナブンを私が手で払いのけたばかりに・・。
早いとこそのカナブンには居場所を決めてもらわないと、私としても気まずくて仕方なかった・・。
でも
これがカナブンでまだよかった。
これがもし
ハチやゴキブリや、蛾だったら・・・。
そう思うと
私としてもその場から飛んで逃げたくなりそうだ。
特に皆の視線から。
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