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伊豆の松崎近辺にある山光荘という宿に行って一泊してきた。
この宿は、別名「長八の宿」としても知られ、蔵を改造した造りが個性だ。
また、この宿は、つげ義春ゆかりの宿としても、ファンの間では知られている。
なぜなら、つげ先生の作品に、ズバリこの宿を舞台にした漫画作品があるからだ。
で、その作品の名こそ、ズバリ!「長八の宿」である。
今回の旅は、いずれ我がサイト「時代屋小歌」で旅行記のネタになるだろう。
宿の大女将とつげ先生は今も年賀状での交流が続いている・・というのが驚きで、また、私にとっては感動だった。
なぜ「感動」とまで言い切れるのか。
それにはちゃんとした理由がある。
詳しい話は後日ブログで書くかもしれないし、また旅行記では確実にネタにする。
ここでは、私の「感動」の一つを紹介するにとどめよう。
この宿には毎年つげ先生から直筆の絵と文章での年賀状が届く。
私は自分が熱心なつげファンであること、先生の作品がきっかけでこの宿に来たことなどを詳しく話すと、なんと!!
ありがたいことに、大女将は、先生から届いた年賀状を見せてくれたのだ!!
これを驚きと言わず、なんと言おう。
しかも!!その年賀状は何枚もあり(何年分も大切に保管してあり・・←まあ、当たり前だよね)、その内容がまた涙々。
直筆によるイラストは実に丁寧で、漫画作品と全く同じレベル。
見れば、色鉛筆で彩色までしてあるのもある。
で、画風が、往年の画風そのままを維持してある。
決して走り描きではない。
これまでの先生の作品に出てきた、御馴染みのキャラが、年賀状でよみがえっているではないか。
で、イラストに添えられた文章がまた泣かせる・・。
切々と心情が綴られているのもある。
その文章、決して1行ではない。
なんて律儀で、誠実な人なのだろう。
これほどの年賀状を描くなんて・・。
そこには驕りもなければ、手抜きもなく、宿の大女将への感謝の気持ちや、先生の最近の心境が、飾らない文体・・そう、先生の旅行記そのままの文体で表現され、正直にそこにある。
私にとっては、まさに国宝級のお宝にしか思えなかった。
これらの年賀状の価値は、計り知れない。
もし、妙な漫画市場に出回りでもしたら、とんでもない値段がつくことだろう。
でも、そういう市場には出ないし、出て欲しくもない。
また、出てはいけないとさえ思う。
イラスト、先生のお人柄が素朴にしかも丁寧に綴られたコメントに、私は目頭が熱くなるような思いがした。
ちなみに私は、全ての年賀状を写真に撮った。
表には当然、先生の住所も書いてあったが、私はあえて見ないようにした。
実際、もう覚えていない。
覚えないようにするのは私は得意だし(爆)。
ここでは、特別に、その何枚もある年賀状の中から、極めつけともいえる年賀状を1枚だけ紹介しよう。
あ、先生のコメントは、プライバシーにもかかわることなので、ボカしておく。
そこには、つげ先生のご意向もある・・と思ってほしい。
デジカメサイズの写真も撮ったのだが、あえてここでは、携帯電話でのカメラのサイズの写真の紹介にとどめることを、ご容赦願いたい。
この年賀の紹介は、宿の大女将の了承を得てあります。
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