小学校時代、色々な参考書が出ていたし、何種類かは私も買ってもらったけど、参考書の中で私にとって一番印象深いのは「教科書ガイド」だった。
担任の先生は、受験研究社の「自由自在」シリーズを勧めていたけど、私にとっては「教科書ガイド」だった。
「自由自在」シリーズは、クラスで勉強が一番できる子が使っていた参考書だったので、先生がそれを推薦してたのは、そのせいもあったのかもしれない。
「教科書ガイド」は、別名で「アンチョコ」とも呼ばれてた。
教科書ガイドは、教科書に出てくる問題の解答が書かれていたので、特に算数の時は、ありがたかった。
教科書内の問題の解答がでてる・・ということで、先生はあまり勧めなかったのだろう。
宿題が出た時などは、教科書ガイドには・・・正直私は世話になったもんだった。
今にして思えば、「教科書ガイド」という参考書は、使い方が大事だったのだと思う。
自分で問題を何を考えようともせずに、解答だけまる写しだと、短時間で宿題をクリアする場合には便利だが、さりとて、そういう行為ばかりを繰り返してると、本当の学力はつかない。
算数があまり好きではなかった私が、そのいい例だった(笑)。
ただ、まず最初に教科書の設問を見て、ガイドで解答を見て、なぜそういう解答になるのか、なぜそれが「答え」なのか・・・の過程や発想、解き方を追求していくと、他の参考書よりも分かりやすかったかもしれない。
後は、その過程や発想や解き方を自分なりに応用でき、教科書に載ってる設問とは別の設問を解く時に活かせtるようになると、それこそ本当の学力がついたのであろう。
こうしたことからも分かるように、まさに「教科書ガイド」は「使い方」がカギだった。
どう使うか・・が大事だった。
楽して宿題をこなすだけが目的だと「ズル」になり、それを自分なりに応用できるようになると「バイブル」にもなる・・・小学校当時の私にとっては「教科書ガイド」は、そんな存在だった。
アンチョコとして使うだけだと、学校での抜き打ち試験の時に、自分の状況がよくわかったから。
結局そういう使い方だけだと、教科書の設問には解答を出せても(当たり前だよね、ガイドに載ってる答えをまる写ししてるだけなんだもの)、先生が作るオリジナルの試験の設問には答えられない。
して私はどう使っていたか・・というと、苦手なものは「アンチョコ」として使い、興味のあるものは問題を解き進む鍵として使っていた・・・と思う。
まあ、今思えば、「アンチョコ」として使ったケースの方が印象に残っている(笑)。
アンチョコとして使う場合、ちょっとうしろめたい思いでいたからね。
「教科書ガイド」という参考書を知ったのは、なにがきっかけだったろう。
決して先生が教えてくれたわけではない。
となると、友達が教えてくれたのだろうか。
それとも、自分で本屋で見つけたのだろうか。
あるいは・・??
今となっては、「教科書ガイド」の存在を知ったきっかけは思い出せない。
だが、この参考書の存在を知った時は驚きであり、目からウロコでもあった。
「え??・・・いいの? 教科書の解答が載ってるよ・・」という思いを最初は持ったのは確かだと思う。
きっとニヤリともしただろう(笑)。
で、親に買ってもらい、しばらくアンチョコとして便利に使っていくうちに、だんだん後ろめたさが出てきて、「このままでいいんだろうか」なる思いもわきあがっていった・・ような気がする。
はっきりいって、教科書ガイドを使う前の時期と、使い始めた直後の時期と、使い始めてしばらくたった頃では、私が受けた試験の点数は変わったのは確かだった。
もちろん、ガイドを使い始めてしばらくたった頃の試験の方が、点数は良かった。
少なくても、ガイドを使った科目においては。
先生の中には、教科書ガイドを毛嫌いしてる先生もいた。
時には、「教科書ガイドをまる写ししてるだけじゃだめだよ」などと冗談と皮肉が混ざった感じで先手をうつ先生もいた(笑)。
だが、他の参考書では成績があがらなかった子が、ガイドを使い始めたおかげでテストの点数があがった子がいるのも・・確かなのだ。
私にとっては、一番の参考書だった。
一般の参考書は普遍的な内容だったけど、教科書というのは地域や学校において違う。
教科書ガイドというのは、なによりも、各教科書個別に対応した内容だったからね。
ピンポイント的に、分かる。
「自由自在」シリーズの参考書は、なにやら高級な印象があり、より本格的で高度な印象はあったけど、私にとってはどうもとっつきにくかった。
そのとっつきにくさは、当時の「自由自在」シリーズのテレビCMソングも影響してたかもしれない。
「自由自在」シリーズは、「受験研究社」という会社が出してる参考書だったのだが、そのテレビCMソングは
♪ 馬のマークの参考書
♪ 受験 受験 研究社
という歌詞で歌われてた。
「♪ 馬のマークの参考書」という歌詞はなんの問題もなかったのだが、問題はもう一方の個所「♪ 受験 受験 研究社」という歌詞だった。
受験研究社・・という社名にはなんら苦手感はなかったのだが、問題は「♪受験 受験」の個所で、「受験」という言葉を連呼される点がどうにも苦手だった。
まるで、テレビから「受験」「受験」と追いまくられてる気がしたからだ。
私の感じすぎかもしれないが、「受験」を脅迫されてるような気もした。
できれば連呼してほしくなかった。
受験という言葉にどこか「重し」を感じていたし、「受験」という単語一つでも気が重くなったのに、それを連呼されたとあっては・・。
しかも、そのCMは、当時テレビでよく流れていた。
だから、絶えず「受験」の言葉がテレビから投げかけられてる気がした。
そんな心境もあったから、「自由自在」というシリーズに私はとっつきにくさを感じてたのかもしれない。
・・とまあ、あれこれ書いてきたが、話を「教科書ガイド」に戻して、この日記を一言で締めくくるとすれば、以下の如しである。
それは・・
「たとえアンチョコと呼ばれようと、私は「教科書ガイド」の味方です(笑)。」
ということです。
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