時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

どこかで火事が

2011年05月23日 | 日々の、あれこれ

この冬のこと。それは、真夜中。

 

窓の外で聴こえる妙な音で目が覚めた。

 

妙な音・・・それはサイレンの音だった。

 

消防車のサイレンの音らしかった。

 

家の近くで聞こえた。

 

かといって、家の横や前を通っていくほどの近さではないようだったので、火事は少し離れた家だろう・・・と思って、そのまま布団の中に居続けた。

 

やがて、なにやら話し声が聞こえ。

 

サイレンの音はひっきりなしに響いていた。

 

なんとなく不安になってきた。

 

呑気にかまえている間に、外では火が広がり、気づいた時にはもう遅い・・・なんてことになったら、たまったものではない。

 

そう思うと、いてもたってもいられなくなり、布団から出て、窓のカーテンを開け、家の周りを見てみた。

 

 

 

だが、火事らしきものは見当たらない。

 

だが、消防士らしき人たちが何人も家の近くの道を歩いて行ってる。

 

火事は・・・どこだ。どこなんだ。

 

少なくても、窓から見える景色内では、火事の気配はなかった。

 

 

 

結局、火事がどこであったのかは分からなかった。

 

だが、消防車がいつまでもサイレンを流し続け、消防士たちが深夜の道をバタバタ歩いていたのは確かで、少なくても近くで火事があったのは確かだ。

 

風の強い夜だったので、もし火が燃え広がったらどうしよう・・・そう思うと寝付けなかった・・・。

 

 

 

そうかと思えば。

 

ある日、仕事である町を歩いていたら、発生したばかりの火事現場に出くわした。

 

ビルの3階か4階あたりの窓から煙がモウモウと出ている。

 

消防車はまだ着いたばかりで、消火活動はこれから始まるところだった。

 

あたり一面、真っ白い煙で覆われ。

 

その臭いはかなり遠くまで漂っており。

 

明らかに有毒なガスであることがわかった。

 

こういう時に限ってマスクをしていなかった私。

 

思わずハンカチで鼻をふさぎ、現場を通り過ぎた。足早に。

 

ビルにはいくつかの店舗が入っているみたいだが、気の毒なことに、しばらく営業は無理だろう。

 

隣のビルにいた人や店にとっても、たまったもんじゃなかったろう。

 

 

 

今起きたばかりの火事を、こんな至近距離で見る機会なんて・・・・。

 

あの後、火はどうなったのだろう。

 

 

 

東京の冬は空気が乾燥しているものだ。

いずれまた冬はやってくる。

 

我が家も含めて、ご近所さんも、そしてどこのエリアの人も、火には十分注意しないといけない。

 

 

 

もしも自分が火事の元凶になってしまったら、人生終わりだ。

 

償いきれるものではないのだ。

 

償いきれなくても、一生償いのために働かなくてはいけなくなるかもしれない。

 

 

 

火は、家屋だけでなく、人生そのものをも燃やして灰にしてしまう。

 

 

 

どこかで火事が。

 

近くで火事が。

 

消防士たちの足音や話し声。

 

消防車のサイレンの夜。

 

気持ちが凍てついて、不安感。

 

 

 

ある寝付けない夜の出来事と、火事になっている、あるビルの前での思い。

 

 


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