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エレクトリックおばあちゃん by ザ・スパイダース
1960年後半に日本で大ブームになったGS。
GSとは「グループサウンズ」の略で、多数のエレキバンドが歌謡曲の世界に登場し、人気を博した。
エレキバンドといっても、インストではなく、ボーカル入りの楽曲を主にレパートリーにし、アイドル的な人気があり、多くの楽曲はプロの作曲家が書いた曲を歌って、ヒットさせていた。
もちろん、自分たちで作った曲をレパートリーにするバンドもいた。
音楽の傾向としては、歌謡曲という感じの曲が大半だったが、中には後のロックにつながる曲もあった。
GSは、当時世界的に大ブレイクしていたビートルズやストーンズなどの影響で出てきたバンドが多かったようだ。
多数のグループがあったが、代表的なグループといえば、ジュリーの在籍していた「ザ・タイガース」、ショーケン(萩原健一)の在籍していた「ザ・テンプターズ」、そして堺正章や井上順、かまやつひろしが在籍していた「ザ・スパイダース」。
他にも「ブルーシャトー」を大ヒットさせた「ブルーコメッツ」、「想い出の渚」をヒットさせた「ザ・ワイルドワンズ」なども。
もちろん、他にも多数のグループがあった。
今回取り上げる「エレクトリックおばあちゃん」は、ザ・スパイダースの曲である。
作詞は麻生ひろし、作曲はかまやつひろし。発売は1970年。
バンドメンバーがソングライティングに関わっていたので、バンドのオリジナル曲と言っていいだろう。
なんでもそうだが、ブームというのは、爆発的な盛り上がりを見せるが、いずれ飽きられてしまうものだ。
GSもそうだった。
一時は爆発的なブームを起こしたが、やがてブームは衰退していった。
ブームの衰退と共にグループはだんだん消えていった。
この「エレクトリックおばあちゃん」は、スパイダースの最後のシングルになった曲だった。
ヒットチャート的には、さほど芳しい成果をあげた曲ではなかったようだ。
ウィキによるとオリコンチャートは67位どまりだったようだし・・。
だが、私はこの曲が大好きだった。幼心に。
一度聴いただけで、耳に残ってしまったから。
特に何度も歌詞に出てきた「ドシテラベナ~ ドシテラベナ~」の響きのインパクトは私には強烈だった。
「ドシテラベナ」は弘前の方言で「どうしているかな」という意味らしい。
ウィキの説明を借りれば:::
「歌の主人公は、赤いダッジで通りを猛スピードで走る老婦人の歌で、青森県の弘前市から来たおばあちゃんという設定」の曲である。
この曲が実はアメリカのポップデュオ「ジャン&ディーン」の「パサディナのおばあちゃん」という曲をベースにした曲であることを私が知ったのは、私が「エレクトリックおばあちゃん」を初めて聴いてからだいぶあとのこと。
ひょんなことから「ジャン&ディーン」の音源を聴いてたら、「エレクトリックおばあちゃん」そっくりな曲が出てきたので、「あ、スパイダースのあの歌の元歌はこれだったんだね」と思ったものだった。
ちなみに、ビーチボーイズがお好きな人なら、音楽探査で「ジャン&ディーン」にもたやすくたどり着くことだろう。
私自身そうであったように。
特に初期のビーチボーイズの音楽がお好きな方なら、間違いなくジャン&ディーンの音楽も好きになるだろう。それはジャン&ディーンのこの曲を聴いていただければわかっていただけると思う。
この「エレクトリックおばあちゃん」、聴いてもらえばおわかりいただけると思うが、ともかく明るく、コミカルで、楽しい曲である。
バンドの解散が決まって最後のシングルとして発売される・・となると、ともすれば寂しげだったり切ない感じが伝わってくる場合もあるが、この曲にはそんな感じはない。
なにやら「ふっきれてる」感じさえする。
もしかしたら・・・最後なんだから、ともかく楽しくやろうぜ・・みたいな雰囲気があったのかもしれないね。まあ、それは私の推測だが。
バンド解散後、堺さんはどこかコミカルな味わいのあるキャラクターでタレントとして活躍されていくが、そのキャラはこの曲にも発揮されていたと思う。
もちろん、バンド解散後はまっとうなソロ歌手としても活躍され、大ヒットも飛ばしたし、役者としても活躍されていったし、司会としても活躍、やがては「隠し芸の達人」という側面も加わり、幅広い芸能活動をされていくことになった。
こんな楽しい曲をレパートリーにできたバンドがGSブームの終焉と共に消えていったのが、なにやらもったいなかった気もする。
だが、当時には当時の「世の流れ」があったのだろう。
この曲を初めて聴いた頃のだんぞう少年は、その後しばらく「ドシテラベナ~ ドシテラベナ~」の個所をやたら口ずさんでいた覚えがある。
そういう意味では、子供たちにも受けやすい曲だったのだと思う。
この曲を作曲したかまやつひろしさんは、後に吉田拓郎さん作曲の「我が良き友よ」という歌を歌って大ヒットを飛ばすが、スパイダース時代に「エレクトリックおばあちゃん」みたいな楽しい曲を作っていたのだから、やはり音楽センスはタダものではなかったということだね。
この「エレクトリックおばあちゃん」は後に何かのCMソングにも使われたことがあったらしい。
またいつか誰かによってカバーされる日がきそうな気がしている私。
だって・・こんな楽しい曲が埋もれている現状って、もったいないと思えるから。
なので、せめてこのブログで取り上げておこうと思った。
https://www.youtube.com/watch?v=iYgYI3RccPo
早とちりスミマセン。
聴いてみるとどことなく似ている気がするのは先入観からくる気のせいでしょうか。
時間の外に、ようこそ。
コンピューターおばちゃん、私は知りませんでした。
なので、せっかくだから検索して聴いてみました。
「みんなのうた」に出てきてたんですね。
かわいい曲です。
夢と愛がある曲でもありますね。
希望があって明るく、元気なおばちゃんの歌という点で、「エレクトリックおばちゃん」と通じるものはありますね。
どちらの歌にも、おばちゃんに対する愛があると思います。
ザ・スパイダースにも、こういうコミカルな楽曲があった事は、初めて知りました。
せっかく乗りが良いリズムやビートなのに、コミックな内容が残念ですよね。
すると、けっこう有名な曲なんですね。
知らなかった私が不勉強でした。
「エレクトリックおばあちゃん」に関しては。このコミカルな要素が私は気に入っていますよ。
バンド最後のシングルがこういう曲だった・・という点など、けっこう痛快です。