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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ロール・オン・ジョン   ディランの隠れた名曲シリーズ 10

2025年02月22日 | 音楽全般

Roll  on   john      by    Bob  dylan


 


ボブ・ディランのグレイテスト・ヒッツには中々収められない名曲を取り上げる、このブログの名物ネタ「ティランの隠れた名曲シリーズ」。その10。


ディランの伝記映画「名もなき者」が公開されるので、それにちなんで。

ディランの公式グレイテスト・ヒッツアルバムはこれまでに3種類出ている。第1集、第2集、第3集。


だがそれらはせいぜい1990年代初めの頃までに発表されたオリジナルアルバムからセレクトされたもの。


ディランは1990年代後半に発表された「タイムアウトオブマインド」というアルバム以来、新たなピークをむかえ、出すアルバムはどれも評価が高い。アルバムの数も、そこそこある。


なのでいすれ公式グレイテスト・ヒッツアルバム第4集も発売される日はくると思う。


そうしたら、今回このブログで取り上げる「ロールオンジョン」という曲は第4集には収録される可能性はある。


だがこの記事を書いてる時点ではまだ第4集は出てない、なので先駆けてこの曲を選んでしまおうと思う。



この曲は2012年に発表された「テンペスト」というアルバムに収録されていた曲。比較的近年の作品。
ディランはこれまで、時代によって歌い声を変えてきてるが、近年のディランはかなりざらついた声質で歌っており、リスナーによっては好みは分かれるかもしれない。
近年のこの声は、若い頃にディランがリスペクトしていた、古い黒人ブルースマンのしゃがれ声に寄せた歌い方、声質なのかもしれない。

 


この曲、ディランは特別な思いがあったのか、アルバムのブックレットに歌詞は掲載されてない。


通常ディランのアルバムでは、付属のブックレットなどに歌詞は掲載されてるにも関わらず、この「ロールオンジョン」だけは歌詞が掲載されてなかったのだ。


それは、ブックレットに掲載された歌詞など読まずに、この曲は実際に聴きながら歌詞を味わってもらいたかったのかもしれない。


リスナーがもしこの曲に関心を持ってくれるなら、集中して歌詞を聴いて欲しいという思いがあったのかもしれない。

 


この曲と同じ題材で、ディランはそれまでに同じタイトルの曲を作ったことがあった。


その音源はネットなどで見つけることができる。


だが、どうやら同じ題材、同じタイトルで、曲を作り直したのかもしれない。


それだけ、特別な思いがこの題材にあったのかもしれない。


それはこの曲のタイトルにも現れている。


なぜならこの曲のタイトル「ロール・オン・ジョン」のジョンとは、ジョン・レノンのことだからだ。


そう・・・この曲は、あのボブ・ディランが、あのジョン・レノンに捧げた追悼曲なのだ。


共に同じ音楽界にいて、共に天才と呼ばれ、ヒーロー扱いもされ、同じ苦悩や苦労も味わった。
同じレベルにいた者同士だからこそわかること、言えることが、この曲の歌詞にはこめられている。

ディランは昔からビートルズを絶賛し続けてきた。


ディランは音楽活動でイギリスに行った時、仕事の合間を見つけて、なんとスタッフも連れすに一人でビートルズ観光ツアーに参加したこともあったらしい。


そのツアーには一般客が参加していたと思うが、一般客にとっては同じツアーにボブ・ディランが同じ客の立場として参加していたら、さぞかしびっくりしたことだろう。
まさか同じツアーに、よりによってあのボブ・ディランが参加してるとは、夢にも思わないだろうから。まるでドッキリカメラではないか(笑)。



ディランとビートルズは1960年代に互いに影響を与えあい、互いにリスペクトし合う間柄だった。


同じ時代に活躍し、時には競い合い、時には分かり合い、刺激やインスピレーションを与え合い、共に音楽界を変えた。
時には賞賛され、時には叩かれもしたろう。似たような栄光や名声、苦労やプレッシャーや悲哀や危険も味わったことだろう。
だから同じ次元で対等に話し合える相手だったろう。
思い起こせば「あいつがいたから、俺も頑張れた」・・そんな存在だったろう。


互いに音楽界に多大な功績を残したので、おそらくディランの中では共に激しい時代を過ごした戦友みたいな感覚はあったのだろう。


戦友には、そりゃ格別な思い入れはあるだろう。


特にそれが若くして悲劇的な最期を迎えてしまった相手なら、なおさら。


 


 


この曲、変にお涙頂戴的な曲には、なっておらず、ディランならではの追悼ソングになっている。


だいたい、あのディランがお涙頂戴みたいな曲を書くはずがない。

ディランのジョン・レノンに対する思いが切々と溢れている曲で、リスナーとしては胸をうたれる曲。


歌詞の中に、ジョン・レノンの曲の歌詞が引用されてたりする。引用されたジョン・レノンの曲は「アディインザライフ」「カムトゥゲザー」「ジョンとヨーコのバラード」の1節。


また、歌詞の中にはリヴァプールとかクオリーメンなどの名前も出てくるし、ビートルズ時代のエピソードも盛り込まれていたりする。


やはり、この曲はディランにとって格別な思い入れがあるのだろう。そうとしか思えない。


 


さあ、あのボブ・ディランがあのジョン・レノンに捧げた曲。


果たしてそれはどんな曲なのか。


それを知りたいなら、この曲の音源を聴いてもらうしかない。


 


 



 


歌詞の1部を記しておこう。  
   ↓
Shine your light
Movin' on
You burned so bright
Roll on, John



ちなみに、ジョンの曲の歌詞の引用は、以下の通り。
   ↓
"I heard the news today, oh boy"(アデイインザライフ)
"Come together right now over me"(カムトゥゲザー)
"you know how hard that it can be"(ジョンとヨーコのバラード)
    








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