水戸の徳川博物館の建物は、広い庭園の中に建っていた。
館内では、受付の女性から、館外にある庭園も見ていくように勧められた。
言われるままに、庭園の方も散策。
当初は、いかにも庭園という感じの風景。
その中を一本道が続く。木陰の中では、日差しは優しかった。
庭園の中の一本道をテクテク歩いていくと、やがて道は下りになる。
木々の中、道を下ってゆくと少し視界が開ける場所があった。
そこからは、遠望で、くねって流れる川と、川向うの風景がのどかに広がる。
それは、水戸の有名な庭園観光地「偕楽園」の一部であった。
偕楽園といえば、岡山の後楽園や金沢の兼六園と並んで「日本3大庭園」の一つである。
さすがに広い。
実は、時間があれば、せっかく水戸に来たんだから偕楽園も歩いてみたかったのだが、あいにくその時間はなかった。なにせ、ゆっくりじっくり見ようと思ったら丸一日かかる場所らしいから。
そこで偕楽園はあきらめ、私は徳川博物館を選んだのだった。
まあ、偕楽園の方は、いずれまたの機会に。
徳川博物館の庭園の奥は、こうして坂になっており、そのまま降りてゆくと河原に出るが、そこには立派な門があって、閉ざされていた。
なので、降りてきた坂道を登り、私は元の徳川博物館の建物に戻り、ひとやすみしてからそこを後にした。