子供の頃よく食べたガムで、「ビッグリーグ・ガム」というガムがあった。
パッケージはもう覚えていない。細長い形のパッケージだったような気はしている。
どんな味だったかも、覚えていない。
どんな形のガムだったかも・・・はっきりしない。
だが、ガムに付いていたオマケは覚えている。
丸い・・そう、ボール型のパズルだった。それだけはよく覚えている。
当時「ビッグリーグ」という言葉の意味がイマイチ分からなくて。
今でいう「メジャーリーグベースボール」のことだったのかもしれない。
今じゃ「メジャーリーグ」は数多くの日本人選手が活躍してることもあって、大分身近になった。
だが、当時はメジャーリーグは夢のまた夢の存在だった。
だいいち、メジャーリーグという呼び方すら浸透してなかったような気がする。
呼び方はもっぱら「大リーグ」だった。それは「巨人の星」の影響も強かったように思う。
このガムの「ビッグリーグ」という言葉って、そんなに使われていたんだろうか?
私の知る限りじゃ、その言葉って、このガムだけだったような気がする。
そりゃ~「大」はビッグってことだし、直訳すれば「ビッグリーグ」でもいいんだろうけど(笑)。
今じゃビッグリーグなんて呼び方・・しないよね。
というか、「大リーグ」という呼び方すら、「?」と思う。
今じゃすっかり「メジャーリーグ」だ。そっちのほうがスッキリするし、むしろもう「大リーグ」という呼び方はやめてもいいんじゃないか・・とさえ思う。
ところで、この「ビッグリーグガム」って、日本全国で売ってたのだろうか。
それとも、東京・・というか、関東エリアだけだったのだろうか。そのへんは、私にとっては謎なのだ。
東京に雪が降りつもり、辺り一面銀世界と化した日の夕方、急にビッグリーグガムが食べたくて・・というか、あのオマケがほしくて、寒い中を外に出て、お菓子屋を目指して、坂道をテクテク歩いておりて行った記憶が私にはある。
10分くらいの道のりだった。
夕方とはいっても、もうあたりは薄暗く、道路に積もった雪は凍結し始めていた。すべりやすかった。吐く息は白く、夕方の薄暗さに浮かんでは闇にまぎれていった。
ビッグリーグガムというと、オマケと共に、そんな雪の日の想い出がある。
今思うと、何もそんな寒い日に、ビッグリーグガムを1個買いたさに寒い雪道をテクテク歩いて行かなくてもいいようにも思える。そう、今となってはネ(笑)。
オマケやお菓子に対する情熱(?)の前では、面倒くさいなんて感覚はなかったんだね、あの頃は。
お菓子屋で首尾よくビッグリーグガムを1個入手し、家への帰り道。
坂道を登ってきて、坂を登りきった時点でふと後ろを振り返ったら、遥か遠くに東京タワーが見えた。
ダークグレーの雪空の中、ネオンで浮かび上がっている東京タワーは、実にきれいだった。
あの灯りはまるで、雪があがったことを祝っているようでもあった。
私にとってのビッグリーグガムは、そんな幼い日の「雪と東京タワー」の光景が詰まったまま、どこかへ消えた。
雪が溶けるように。
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