弘法大師・空海の生誕地として知られ多くのお遍路さんが訪れる総本山善通寺
文化庁は24日、歴史的建造物や伝統芸能といった有形、無形の文化財をテーマや地域ごとに一括認定する「日本遺産」の第1弾として、24府県の18件を選んだと発表した。四国4県が共同で申請した巡礼路「四国遍路」をはじめ、水戸藩校だった旧弘道館や茨城、栃木、岡山、大分4県の旧教育施設で構成する「近世日本の教育遺産群」などで、外国人も含めた旅行者に地域の宝をアピールし、観光振興につなげるのが狙いだ。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに100件の認定を目指す。
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日本遺産は、厳しい保全体制と普遍的な価値の説明が求められる世界遺産とは異なり、地域活性化を主眼とした新事業。40都府県から83件の提案があり、有識者委員会で、地域の伝統文化の魅力を雄弁に伝える「ストーリー性」を重視して選んだ。認定された自治体に対し、案内板設置やガイド育成といった費用を補助する。
今後も年1回のペースで認定する予定で、今回選ばれなかった自治体も再提案できる。
下村博文文部科学相は24日の記者会見で「文化財版のクールジャパンと言える。日本文化の魅力を国内外に発信し、地域活性化に取り組みたい」と意欲を語った。
昨年開創1200年を迎えた「四国遍路」は、全長1400キロにも及ぶ壮大な回遊型巡礼路が継承されていることや、地域住民の温かいお接待を受けながら国籍や宗教・宗派に関係なく誰もがお遍路さんとして巡礼していることなど、世界でも類を見ない巡礼文化が評価された。
県分ではこのほか、小豆島、土庄両町が両町内に残る醸造蔵や旧醤油(しょうゆ)同業組合事務所などの文化財群「木桶が醸す小豆島の醤油」を応募していたが、選ばれなかった。
近世日本の教育遺産群は、旧弘道館(茨城)、日本最古の高等教育機関とされる足利学校跡(栃木)、庶民教育の場だった旧閑谷学校(岡山)、多くの人材を輩出した私塾の咸宜園跡(大分)で構成。関係自治体は「庶民も含めた高い教育水準を実現し、日本が近代化を成し遂げた原動力となった」と説明している。
このほか、キリコ祭りと呼ばれる能登半島の灯籠神事(石川)や、800年に及ぶお茶文化(京都)なども選ばれた。
浜田知事の話 日本を代表する巡礼文化として評価され、大変喜ばしい。四国遍路を地域資源の核として活用するとともに四国の魅力を国内外へ発信し、地域活性化を図っていく。今回の認定を契機に世界遺産登録に向けた取り組みをさらに積極的に進めたい。
日本遺産 地域の有形、無形の文化財をパッケージで認定し、観光振興などの地域活性化に役立てる新事業。政府は2013年、日本文化を海外に売り込む「クールジャパン」戦略の一環として創設を打ち出した。文化財そのものではなく、伝統や風土に根差した「ストーリー」が認定対象となる。一つの市町村内で完結する「地域型」と複数にまたがる「ネットワーク型」がある。【四国新聞より】
世界遺産登録に向けて良い発表となりました。
心霊映像 総本山善通寺にて お遍路さんの霊