美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

「モンテ・クリスト伯」

2024-08-30 17:20:57 | 本・映画


毎日、夜寝る前に本を読みます。本はたくさん持っているのですが、今読みたい本はそんなにたくさんありません。

それで、時々本を買います。でも、そうすると、結構本代がかかるため、持っている本の中で読みたい本を探します。昔読んだ本ですから、あまり覚えていないものばかり、その中で面白そうだと思ったものを読んでいます。

今回も持っている本の中から、また読んでみようかなと思って選んだものです。「モンテ・クリスト伯」岩波文庫7冊です。

読んだはずなのに、覚えていなくて、こんなに長い本だとは思いませんでした。ご存じの方はたくさんいらっしゃるでしょうが、復讐の物語です。

若く凛々しい船長のエドモン・ダンテスが、航海から帰ったときから物語は始まります。恋人のメルセデスと結婚して、新しい人生を始めようとしていました。

ダンテスの幸運をねたむ二人の男フェルナンとダングラールが、ダンテスを陥れる手紙を書き、それを糺すべき検事のヴィルフォールが、自分の身の安全のためにダンテスに罪をきせてシャトー・ディフへと送ってしまいます。

ダンテスは、無実の罪で海の中の牢獄に14年閉じ込められてしまいます。自分では、何の罪かもわからず、絶望の牢獄生活でしたが、脱獄を計るファリア神父と出会います。

神父の知性や教養に出会ったダンテスは、学問や言語、貴族としてのたしなみまで神父に習い、第二の父として愛するようになります。神父は病気のため死に、ダンテスは遺体になり替わり、脱獄に成功します。

神父から、財宝の隠し場所を教えてもらったダンテスは、その財宝と知性や教養でエドモン・ダンテスではなくモンテ・クリスト伯爵として、パリの社交界にデビューし、自分を陥れた人々への復讐を始めます。

ダンテスをただ一人助けようとした船主のモレルへの恩を返し、陥れた人々への復讐は成功しますが、ダンテスは、明るい心ではなく、多くの巻き込まれた人々の苦しみと共に苦しみます。

最後に王女エデとの新しい愛に気づき旅立ちますから、それだけは救いでしょう。

ダンテスは、無実の罪でひどい牢獄生活をし、復讐は当然のことのようにも思われますが、読んでいるうちに少しずつ、復讐をすることは本当に当然のことなのかと思い始めます。

人は暴力で人を貶めることはできないと思うのですが、暴力に暴力で対することは仕方ないのでしょうか。戦争などはそういうことなのでしょうから。

モンテ・クリスト伯爵は、教養もあり、おおらかに人々を魅了し、人ではなく神のようだと思われるような人なのです。それは、人は人を罰することはできないけれども、神として真実のためならということなのでしょうか。

物語としてはとても魅力的なのですが、復讐ということが成り立つものなのかどうか、考えてしまいました。

モンテ・クリスト伯爵は、とても魅力的な人で、こんなに財宝があり、知性や教養もあり、おおらかに人としての優しさもあれば、魅了されてしまいます。それに、センスのあるハンサムな人なのですから。

作家はアレクサンドル・デュマ、このお話は実話を参照して膨らませたものだそうです。

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絵 大分

2024-08-14 13:09:19 | 


乳がんの手術をして1年がたったころ、大分の友達が夫と一緒に遊びにおいでといってくれ、二人で出かけました。

その友達は、大学の時の1年先輩で、彼女のご主人は私の夫と友人だったので、時々会いに行ったり、時には私たちのところに訪ねてくれました。

本当につらいことですが、彼女は61才の時に、くも膜下出血で倒れ、5年後に亡くなりました。

いろいろなところに遊びに行き、楽しい思い出がたくさんありますが、これから彼女が子供たちから自由になるので、もっと楽しいこといっぱいしようねといっていたのでした。

彼女は繊細で、きめ細やかな人でした。私は、彼女の笑顔を今もはっきり覚えています。笑顔も少し控えめでしたが、優しい雰囲気がとても素敵でした。

たくさんの人と出会うけれども、いつまでも出会い続ける人というのは、とても少ないです。彼女は、私にとって、ずっと出会い続けた人だったと思います。

この時は、湯布院へ行き、素敵なレストランでケーキを食べたり、湯布院をぐるりと回ったと思います。もう20年ほど前のことで、記憶もあいまいなのですが。

この絵は、行きだったか帰りだったかに、下関のサービスエリアで写した写真を見て描きました。このころやっと髪が伸びてきていますね。

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墓参り

2024-08-07 15:32:28 | 私の日々
8月6日、母と妹と墓参りに行きました。夫のお墓と家のお墓をお参りしました。

家から墓地まで、車で1時間くらいかかります。毎年、夕方まだ明るいうちに行っていましたが、今年は、家を5時に出て、花を買って、6時過ぎくらいにつきました。

日は落ちて暑いけれども、焼けるようなじりじりした暑さではなく、これならもう少しの間、頑張って墓参りに行けるかもしれないと思ったのでした。毎年、墓参りはたいんな苦行になっていて、もういけないかもしれないと思っていたのです。

きれいな花を飾り、夫にもう少しで私もそばにいるようになるよ、といったりして、夏の大行事が終わりました。もちろん、妹が車で連れていってくれ、水を汲むなど、用事をほとんどしてくれるからいけるのですが。

8月6日は、原爆の落ちた日です。朝8時ころに落ちた原爆で、死に瀕した人たちが、この暑さの中、苦しんで助けを求めて歩き回ったということをおもうと、それは本当に地獄です。だんだん暑くなる夏の日差しの中、どんなに苦しい思いだったでしょう。

今も世界には、たくさんの紛争があり、戦争もあり、人々は自分の生を争いの中で生きています。それは本当に悲しいことです。

人は毎日、小さな争いから大きな争いの中で生きています。そして、力を使って人を押さえつける人たちがたくさんいます。力とは何だろう、とこの頃考えてしまいます。

力があることが必ずしもよいことではないのではないかと、力を見せつけられると、人はどういう風に生きればいいかと考えます。

原爆の日に、お墓参りに行き、力のこと、人の生き方などを考えてしまいました。

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