私は耳があまりよくありません。
40代で、家族に耳が聞こえにくいのではないかと言われ、自分でも、電話の時左耳が聞こえにくいと思っていたので、近所の耳鼻科に行きました。
診断は、「老化です。神経を刺激するビタミン剤を飲みましょう」。
何か月かその病院へ行きましたが、治る気配もないので通院はやめ、そのままにしていました。
50代になって、ぜんそくと言われ、そのころからだんだん聞こえが悪くなり、右耳も聞こえにくくなりました。
自分では、老化だと思っているので、あまりにも聞き取りにくくなった60代で、総合病院の耳鼻科へ補聴器の診断をしてもらおうと行きました。
そこで、言われたのは、「中耳炎です。長くほったらかしていたので、耳の中の液体が全部抜けるかどうかわからないが、やってみましょう」。
えっ、老化じゃなかったの、とびっくり。中耳内の水を抜いてもらうと、信じられないくらい、聞こえるようになりました。
何度かその病院で中耳炎の手術をしてもらいました。時々水を抜かないと、聞こえが悪くなるのです。
左の耳は、あまりにも長く放置していたので、もう仕方がないといわれました。
そのうち、夫が倒れ、私も好酸球性多発血管炎性肉芽腫症という難病になりました。
そして、時々、右の耳が異常に痛むようになりました。我慢できないような激痛が襲います。
それで、通っている耳鼻科に行って、激痛がありますと伝えました。医者は、ほとんど何も検査もせず、そんなことはないはずだ、と言われました。(後で思えば、悪いところがなかったことを知っていらっしゃったから、そう言われたのでしょう)
治療してもらえないので、私の住んでいる地域の市立の総合病院へ電話しました。「朝の8時に来てもらって、診察は午後3時か4時ころになりますが、それでもいいなら来てください」と言われ、すぐ予約しました。
その病院の耳鼻科の先生は、いろいろと私の話を聞いてくださって、できるだけの検査をしてくださり、こうおっしゃいました。
「何も悪いところはありませんでした。それで、気持ちの問題から起こる肩こりからの耳の痛みだろうと思います。」
肩こりから耳が痛いといわれたのにも驚きましたが、気持ちの問題からの肩こりだといわれたのに、もっとびっくりしました。
それで、耳が痛くなりそうな気がすると、肩に湿布を張って、気持ちの問題から起こるのだから、体は悪くないのだから、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせます。
痛くてたまらなかった耳も、それからは一度も痛くなりません。
自分が病気をして以来、お医者様にも、よく言われます。気持ちの明るさが病気を重くしないのですと。
それは、どんな病気にも通じることなのですね。病気に押しつぶされないように、できるだけ明るく、病気だって治療すれば治るのだから、と思いましょう。