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第三章 分割・民営化攻撃の本格化と国労闘争
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第八節 監理委員会最終答申前後の賃金、労働条件をめぐる取り組み
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├○ 四 期末手当支払い基準改悪反対闘争 │
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国労当局は、1986年5月27日に、毎年3月に支給される期末手当の支払い基準について、この年以降は勤務成績に応じて個人差を付けた支給基準を行いたいという提案を、正式に提案してきた。この新提案は、すでに当局が1986年3月の段階から示唆していたのであるが、その内容は以下の通りである。
① 欠勤については欠勤日により10%、40%、70%の三段階に分けて減額する。
② 病気欠勤については病欠日数より5%、10%、15%、20%の四段階に分けて減額する。
③ 「勤務成績が優秀な者」については5%増とする。「良好でない者」は5%減とする。(③の 対象人員は10%とする)
(なお、欠勤日数については「期間率」を設ける。すなわち、年休や公休を 除く欠勤日数が 半年間で4日~30日以内は10%の減額。31日~90日 は40%の減額、91日以上は70 %の減額とする)
この当局提案にたいして、国労は、「昇給昇格」差別の上に、さらに勤務成績を理由として差別を助長する労務政策であると反発した。そして、27日の交渉では、次のような主張を展開し、当局の再考を求めた。
「国鉄には、すでに「信賞必罰」の制度がある。にもかかわらず、国鉄問題 が重大局面を迎えている時期に、労使の不信を拡大するような提案はすべき ではない。
当局による雇用安定協約の締結拒否や差別昇給など、国労とその組合員に 対する不当な攻撃がなされている現状で、この政策の公明性・公平性を期待 することはできない。
国鉄労働者の低賃金を前提とすれば、期末手当は生活給であり、生活給に 格差をつけるべきではない。
当局提案では、10%の枠を設けているが、国鉄労働者を〝よい子?〝悪い子?に区別するものである。
これまでの支払い方法(一律方式)は安定しており、信頼関係に裏づけられていた。これを変更する必要はない。」
さらにまた、国労本部は、5月31日には「期末手当の支払いに関する申し入れ」を国鉄当局に手渡した。そして、この「申し入れ」のなかで国労の方針が具体的に示されたのである。そこで、その内容を紹介しよう。国労の主張は、
①現場長の恣意的な判断基準となる「勤務成績」という査定を除外し、「期間率」だけを基準とすること、
②「期間率」による減額は最小限にとどめること、
③新たな制度による期末手当の支払いについての「調査期間」は協定締結以降のものとすること、
④新制度については周知徹底をはかる必要があるので、変更は年末手当以降とすること、というものであった。
つまり、国労の主張は、現場長の恣意的判断によって賃金に個人差がつけられたり、各現場長の判断で相異が生じるような基準は認められないし、このような制度は正しい職員管理手段ではないというものである。そして、「期間率」などの客観的で公正な基準と軽微な経済負担による制度を要求して、交渉を続けた。 しかしながら、6月2日には、鉄労、動労などの四組合が当局提案を認めて妥結した。そのために、国労組合員を除く四組合への夏季手当の支払いもあり得る状況となった。このような事情を考慮して、国労は当局との交渉で、「個人の思想信条や感情、または所属組合を理由に成績率の適用はしない」との当局の見解を引き出した段階で妥結を余儀なくされた。その結果、国労が主張してきた成績率の排除にはいたらず、6月7日に妥結した。
続く
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