国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄労働組合史 129

2011-04-08 10:00:00 | 国鉄労働組合史

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第2章、国鉄分割民営化攻撃と国労攻撃

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第六節 国労の国鉄再建提言
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├○ 一 国労の国鉄再建提言│
└─────────────┘
 
 国労の国鉄再建案

 国労は、1984年8月に開いた第46回定期全国大会( 伊東)で、国鉄の分割・民営化反対・首切り( 余剰人員対策) 2項目撤回案を決めるとともに、国労独自の国鉄再建案を作成することを決定、この決定にもとづき作業がすすめられ、85年3月の第143回中央委員会に「国鉄再建への道=分割. 民営化に反対し・国鉄の民主的再建をはかるためのわれわれの政策要求」と題する案を提出し、承認された。この時期政策要求を提起したのは、国鉄解体、雇用危機の顕在化という差し迫った事態にあって、国鉄解体の攻撃を許さず国鉄労働者と国鉄関連労働者はもちろん広くは交通運輸労働者全体の雇用と労働条件をどう守りぬくかを基本にすえ、国民的合意のもとで臨調=行革攻撃に反撃する幅広い闘いの戦線を作りあげていく意味で、国鉄再建の政策要求の提起が緊急の課題となっていたからであった。
 この政策要求は、「Ⅰ国鉄危機の現状とその原因」、「Ⅱ国鉄円建の基本的視点」、「Ⅲわれわれのめざす国鉄( われわれの要求)」3つの部分から成り立っている。
  「Ⅰ国鉄危機の現状」では、①国鉄財政の危機として1983年度でみて20兆円の累積債務への元利払いに、単年度赤字 ( 1兆6604億円) を上回る2兆780億円を費消し、やがて は借入金のすべてを元利の返済に当てる事態が迫っていること、 ②輸送の危機、公共交通の危機については、不採算部門の切り捨てなどにより、「乗りたくても乗れない、送りたくても送れない」状態を作り出していること、③貨物や地方交通線の切り捨てや合理化が地域の産業. 経済. 文化. 教育に危機をもたらしていること、④国鉄に働くすべての労働者の雇用と労働条件を悪化させ、労働者の権利を危機にさらしていることを指摘し、こうした国鉄危機をもたらした原因として、「第一の原因=産業構造の変化と自動車優先、総合交通政策の欠如」「第2の原因11基礎施設に対する政府投資の不均衡、借金による設備投資と利子負担の増」、第3の原因=特定人件費の急増L「第4の原因=公共負担の補償ルールが確立されなかった問題」「第5の原因=借金を増大させる赤字累積方式」「第6の原因=政府. 国会の規制. 介入と自主性の欠如」「第7の原因=官僚主義的経営機構」などの複合する諸原因のからみあいが危機を深化させたとし、このからみ合いをときほぐし、「具体的な解決策を実行することなくしては国鉄の再建・再生」はありえないとした。
  「Ⅱ国鉄再建の基本的視点」として、①国民の「移動手段の確保( 交通権) こそ国の責任であり、公法上の法人たる国鉄こそその義務を負い、これを維持・発展させることができる」こと、②「私企業には期待できない公共企業体の積極的意義の確認と民主的改革」が必要であること、③国鉄で働くすべての労働者の雇用と労働条件を守り改善することが、安全輸送を確保するのに不可欠であること、④国鉄はこれまで全国ネットワークによる輸送サービスを続けてきたことによって有形、無形の社会的便益を提供してきたが、「このような金銭以外の便益として利用され享受されている部分に対しては、公共交通機関にふさわしい費用負担原則を確立」すべきである、と述べた。
  「Ⅲわれわれのめざす国鉄( われわれの要求)」として、「①公共交通を守れる国鉄、②利用しやすい、民主的運営の国鉄、③社会の発展に寄与できる国鉄、④積極的な事業活動のできる国鉄、⑤安定した経営のできる国鉄、⑥労働者の雇用が守れる国鉄」を掲げた。
 国労の「国鉄再建への道」と題するこの再建案は、比較的新しい考え方である「交通権」の立場を鮮明にし、国鉄を公共企業体として維持・発展させることの積極的意義を打ち出していた。
 以上の再建政策をもとに国労は、85年4月に国民向けのパンフレットを作成し、配布した。このパンフレットは国鉄の分割・民営化の問題点として、「全国ネットワークを破壊し、国民の移動する権利を奪う」、各種設備などで「ムダを多くする」「安全・公害問
題をさらに深刻にする」「技術開発の分野をダメにする」「国鉄用地を、財界や一部の政治家の思うままにする」「利用者の負担増をまねく」「貨物・バス輸送を切り捨てる」「労働条件を切り下げる」
などをあげた。

続く


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1 コメント

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日本の因果 (芸能星人&村石太マン)
2011-04-09 23:10:33
国鉄の宿舎が マンションになっていた。あれはどういうことだろうか?
中流時代とは ノンキャリの公務員だったかもしれない。ノンキャリの公務員を目指すことができなくなった。
民営化 土地 建物 すべてを 企業にさしあげる。
日本の財産 土地が減る。相続税 競売とは 違うことになるかなぁ
民営化後 赤字になる 消費税をあげる。中小企業 商店は きつくなる。サラリーマンも きつくなる。資本の大きなところが 強くなるばかりになる。民営化企業は 強い。
消費税は すごいお金ですね。日本の人口1億2千万人×5円エックス
原材料 仕入れ 企業における 消費税 車にかかる税金 他
ここで 震災がおきたのは きついですね。税金で まかなえるといいですが 募金の力も必要なのでしょうか?世界から募金をいただいて 輸出 輸入 の この 日本はどうなるのでしょうか
デカセーギの外国労働者も 多い日本ですが 扱いは 大丈夫なのだろうか すべてに 因果があるならば どういう結果が 未来に おきるのだろうか~ うまく書けてない 文章ですが すいません。


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