国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

観光団体専用列車のお話、事始め

2019-08-31 10:33:06 | 国鉄思いで夜話

昭和36年から始まったオーダーメイドの団体輸送
観光団体輸送列車は、当時の資料を探してみますと、昭和36年2月号の記事に次のような記述を見ることが出来ます。
これは、36年3月のダイヤ改正で誕生したと書かれています。
少し、本文から引用してみようと思います
申し訳ありません、私の勘違いで、南紀観光団体専用列車には、ナハネ11が投入されたと書きましたが、これはその後の九州観光団体その他では確かに寝台車を使われているのですが、南紀観光団体列車は座席車による夜行列車でした。【昭和36年3月鉄道ピクトリアルで確認しました。】
ここにお詫びして訂正すると共に、更に資料の精査を行えるようにしたいと思います。
重ねてお詫び申し上げます。
******引用開始

団体旅客の輸送は、輸送力の不足している現在の国鉄にとって非常に難かしい問題である。今後観光旅客の輸送に力を注がねばならないことは前にも述ベたが、その具体的方策の一つは団体旅客輸送方法の改善である。現在の大口団体輸送は、要員、車両、線路等窮屈ずくめの影響もあるが、多数の団体毎にそれぞれ異ったコース・時間帯を希望する関係もあって、その輸送を行うために非常な苦労を重ねている。然も、折角の申込団体の一部をダイヤが入らず拒絶している場合もしばしばである。そこで今次改正から団体旅客輸送の定形化(モデルコース化)という方法をとることとし、団体旅客が多数ある地区については、それらの団体が希望するコース・時間帯の最大公約数を持った、団体専用モデルコース列車を不定期列車として運転し、『団体の引受けが即座に出来ると同時・に、輸送力を無駄なく活用することにした。まず、今次改正はその第一歩として、

******引用終わり

昭和36年は2回ダイヤ改正が行われた。
なお、昭和36年にはサンロクトウと呼ばれた、白紙ダイヤ改正がありますが、実はこの年は2回ダイヤ改正が行われたようで、昭和36年の3月にも小規模なダイヤ改正が行われており、その目玉となったのが団体臨時列車の設定であったと言うことになります。
手元に昭和36年3月の時刻表がありますので、参照してみますと19:33に10番線から白浜口行きという列車が目に入ってきます。
白浜口は、現在の白浜(和歌山県)であり、昭和34年に紀勢本線が全通してからは入り込みが増えていたのでした。
昭和30年代のクルージングトレイン?
この列車は、名古屋から関西線、紀勢本線を経由して直接白浜まで運転していたようです。白浜で車両も一泊した後、翌朝は紀勢本線・和歌山線経由で京都に、京都には19:09着、20:28には東京に向けて出発していますので、前日の宿泊客を受けて夜行列車で帰るスタイルになっていました。
その後は、こうした団体旅行列車は好評で、数年後には南紀団体旅行列車は、鳥羽(二見浦を経由)するように改められています。その後は同じルートで白浜・京都を巡っており、今で言うところのクルージングトレインのようになっていました。
ただ、現在のクルージングトレインと違うのは、本当に詰め込みの団体旅行であったと言うことでしょうか。
この列車は、特急つばめ・はとに使われたスハ44が投入された。
南紀観光列車には、特急つばめ・はとで使われた、スハ44・スハフ43が投入されたのですが、投入に際して固定座席から回転式クロスシートに改造されることとなり、スハ44 1~8とスハフ43 11~24迄の22両が南紀観光団体専用列車に充当されることとなり、6両編成×3+4両予備となったそうです。



2枚とも、鉄道ピクトリアル1961年3月号から引用しました。

時刻表でしばしの時間旅行をお楽しみください。
最後に、昭和36年時刻表からしばし、時間旅行をお楽しみください。
まずは1枚目、東京を19:33 10番線から出発します。
このときは、晩年の団体列車のように、他の列車と併結することなく単独で運転されていました。

東京19:33、横浜20:02と主要駅に停車しながら、名古屋に2:55到着します。

その後、関西線・紀勢本線へと進みます。


その後、白浜で停泊した後和歌山線経由で京都に向かいます。
国鉄線に掲載された、観光地団体臨時列車の記事



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