酒馬鹿三兄弟、次男の岸壁はしご酒

酒は飲んだら飲まれましょう、しかし仲良く。拙い酒と乱暴ポエトリ月夜の酩酊ランデブー

9年の日々

2014-10-02 08:57:50 | 









生後一か月の猫がおれのところにやってきたのは
冬の終わりの頃だった

メスだった。
か細い声で鳴いたが、威勢は良かった


おれはなんと言うか、パンクスとか
刹那主義とかを思っているくせ
なぜ猫なんか。




どちらかと言えば
鳥は鳥かごから放してやりたかった
犬は野良で吠えていればいいと思ったし

野性というものに惹かれているはずだった


それでも猫を愛した
いたずらに腹を立てたが
嫌いになることは一度もなかった

何の役にも立たない猫の手が
おれの心を掴んだ


かつては、
手放したくない女が何人かいたにはいたが
今はほとんど忘れてしまった



昨日、
9年という日々を過ごした猫が死んだ





おれはしばらくは、
その猫のことを忘れることはないだろう