転倒その後

あの
転倒が起きる前に、うわさの職場不倫カップルが
「みんなの前ではあんなこと言ったけど、（よりを）戻そうな。」
と、ひそひそ話をしているのを聞いてしまった。
市原悦子状態になってしまったわし・・・。
「これ、やばいわ・・・」
そうしたら、すぐさま事故が起きたから大変だった。

何にもしてくれなかった主任、リーダーにはがっかりした。リーダーなんて責任を感じるよりもうわさを流すほうが先行でしたな。
家族が来た時には、主任も同席して欲しかったのに夜勤の仕事しているふりだしな。ほんとに・・・って感じだった。同席した看護師にも平謝りだった。家族にも本当にすまなかった。このことを嘆いたり、泣くよりも先に連絡疲れしてしまい、休憩室から出れなくなってしまった。

翌日の夜勤も、気持ち的にどよーんとした感じだった。骨折で入院と聞いて
「あの人は認知症で徘徊するから仕方がない。」
と、話していた。でも、見守り不十分だったのは責任を感じたな。
「こんさん（仮）、家族から気にしないで下さいと話していましたよ。」
と、職員から話があった。
でもね、やはり責任を感じるよ。
翌日、明けになり、やはり苑長が飛んできた。書類のことやなんか一通り話した後で
「これは予測できたことか、そうじゃないのか？」
と、聞かれた。
「見守れたかもしれません。でも、その場を離れてしまって・・・。」
と、考えていたら
「その場にいたから、責任を感じているんだ思います。」
と、他の職員が話していた。
「自分で動いてしまう利用者なんだから、予測も難しいんじゃないんですか？」
と、事故の場にいなかったリーダーも援護射撃した。
苑長は
「そうね、そうだとおもったわ。それだったら、ご家族に対して『すみません。』と、心配するくらい言うんじゃなくって『ご迷惑をおかけしました。』でしょ？」
と、言われ納得した。正直、ほっとした。あとはなんとか、残務処理をこなした。
認知症で徘徊があるので未然に防ぐことが出来なかった。家族の目の前でも転倒し骨折したことがあるそうだ。その旨了承しているので、大丈夫だと話があった。後は、利用者の手術の成功と回復を祈るのみ。
意外な助けを借りた形になった。

あまりにもほっとしたので、帰りに赤丸ランチと煮卵を食べた。
すっきりとした気持ちで休みに入れそうだ。
少し冷静にものの見方を変えないと。