少し。
話せない夜があった。
話せない朝があった。
また話せない夜が、きそうな予感がしていた。
夜の犬の散歩をしながら、私は、
彼の散歩の時間とずれてしまう事に、やるせなさを覚えていた。
今頃、何をしてるんだろう?
皆目、見当がつかない人。
でも、彼に対して、淋し過ぎるとか、待たせ過ぎるとか、
ある時を境に思わなくなった。
穏やかな気持ちで待てる。
そしたらほら、
彼も気にかけてくれていた。
私はなんて、幸せなんだろうと思った。
今、こうやって声を聞いてる。
私が彼に尋ねたかったことも、ちゃんと答えてくれている。
私が夫に言えないことに、
彼なりの答えを話してくれた。
ありがとう。
お風呂に入る時間に、また、
ほろ酔いの彼と、繋がった。
私にしたら、この時間は、彼は寝落ちしてる時間だと思っているので、
不意打ちだった。
甘えたい。
どうしてこんなに甘えたいんだろ?
と、同時に、エロ脳が支配する。
曇ったガラスに映る姿を彼に送りつけた。
ヘアーもうっすら写っている。
すると、彼から、それは危険な行為だと注意された。むしろ、ここは、怒ってくれてもいい。
これからは、送る前に、尋ねてからにしなさいと。
私は、異常なほどのMだから、
とても素直にそれを聞く。制されるのが心地いい。
こんな事でこの関係が終わったら、それはそれで、笑えるね。
と、彼が笑ったから、私も、おかしくなって笑った。
そして、眠たそうにする彼に、おやすみの挨拶をした。