お盆休みで、
家族が揃っている。
そう連絡をもらった。
前の職場では、毎週、半分ほどのメニューが変わる。
学生たちが飽きないようになっているんだと思う。
だから、
月曜日の朝は、レシピと睨めっこ。
いちいち、調味料の量も確認しながら作るから、時間がかかる。
火曜日、レシピを流し見しながら作る。
いかにして、合理的に作れるのかを考え始める。
水曜日、リーダーの女性が叫ぶ。
もう水曜日だからね!月曜日と同じことをしていたら、バカだからね!
その頃から、もう、だいたい暗記されているレシピをたまに確認する感じ。
そう、人間は、
いつまでも、同じことをしていては
いけないんだ。
私たちの関係は、ボケの花が咲く頃から続いている。
四月の半ばだったか…。
私も、いつまでも、その頃と同じではいけない。
彼が、そう言ってくるからには、
その意味を理解しないといけない。
つまりそれは、
連絡を控えるように。
そんな感じ。
連絡できる時があれば、俺からするから。
そういうふうに解釈しなければいけない。
なのに私は、血迷っていた。
あろうことか、私も彼の家族になりたいって思った。
いくら考えてみても、それは無理でしょう。
私は、どこにも入る余地などなく、目を瞑っては、彼に、想いを馳せていた。
そういえば、
前に、彼が言ってたなあ。
家族なら、エッチなことはしないよ。って。
なら、私は、やっぱり他人がいいのか。
恋人?
愛人?
まだ愛人ではないから、
想像愛人?仮想愛人?
私が家族になることは、死ぬまでも、死んでからも、無いんだよ。
そう自分に言い聞かせたてた。