終戦記念日とお盆
もう67年経つんだなあ。
いくら時間がたっても、この日が来ると胸が締め付けられる人がいる。
忘れたい…忘れられない。忘れてはいけない過去がぐるぐると駆け巡るこの日。
戦争の体験を少しだけ話して、だけど何にもなかったかのようにただ生きて死んでいった舅。
命日は思い出せず、その舅の顔もおぼろげとなってきた。
線香をたこう。ろうそくをともそう。
先に逝った孫の守りをするために旅だった舅。
私のカナシミはすでに消えていた。
兄を戦争で亡くしている父。B29に追われた母。姑も兄を呉で亡くしている。
もう誰も戦争の話はしない。
木の葉が水の流れにただ漂うように、穏やかに日々を過ごしているようだ。
この愛おしい老人たちが、もうしばらく心穏やかに、そして、少しわがままに暮らせるような日本の国であってほしい。