昨年の暮れ、娘二人の結婚が急にきまった。
桜咲くこの時期に来て、大きなおなかを抱えながらも生活を支えるために働く娘。
同じく将来の不安などどこ吹く風のように、「頼りない男」と文句を言いながらも気楽に生活をしている娘。
まるで〝アリとキリギリス〟のような娘たちである。
どちらがいいとか悪いとかではない。
この子供たちの将来をどんなに心配しようとも、どんなに腹立たしく思おうとも、私たち親は眺めているしかない。
この娘たちの結婚がつまらなくて悲しくて…悔しい。
世間知らずの娘たちがこれまた世間知らずの男たちと結婚する羽目になった。
自業自得だが。
ともあれ娘の選んだ男たち義理の息子なのだが、どうしても生理的に受け入れられない。
表面上はそれなりに取り繕うこともできるのだが、こんなにも自分の心が狭いのか、婿に対しての期待が大きかったのか、
自分の心が整理できない。
父親である男たちのこと、孫となる何の罪もないお腹の子供たちには申し訳ない思いが残る。
私は…