モズの眼

動かなくなった「心とからだ」の復活の記録

夢 ~ 2

2010-10-27 | 自然その他
山道を車で走っていると道路の脇に女が座っている。

つばの広い青い帽子に、やはり青いウインドブレーカーを着ている。

望遠鏡をのぞきながら帳面に何かを記録している。



いつの間にか私は車を降りて、女の側に立っていた。

何か珍しい鳥が見つかったか、と訊ねると

女はそれには答えず、色々なところで観察しているから、と言う。

西から南まで、と付け加えた。

なぜ北から南までではないのかと少しいぶかしい気がした。

最近、ジョウビタキが渡ってくるのが遅くなったような気がするがどうだろう。

女は、朝の内にチゴハヤブサが出ましたよ、とまた私の質問とは別の答えをする。



ずっとここで鳥を見ていなければならない女を、少しかわいそうな気がして

帽子の下を覗き込むと、女の頬から鼻の下まで大きな傷痕が見えた。

色の白い女だったけれど、その傷痕の方が一層白かった。
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夢 ~ 風邪の熱の中でみた風景

2010-10-27 | 自然その他
私は夜道を歩いている。

真っ暗闇の中。片側はどうも深い谷川らしい。

しばらく歩くと夜目に慣れてきて、うっすら足下も見えるようになった。

何かが道の雑草の中で青白く光っている。周りを見回すと、そこかしこで光っている。

誰に聞いたわけではないが、それが「蛍みみず」であることを知っている。

光は「蛍みみず」の動きに合わせて明滅する。

その美しさに見とれていた。

ふと気づくと、私は何時しか飯場の中にいた。

飯場の壁は隙間だらけ。

コンクリートの付着した型枠が荒々しく打ち付けてある。

床には作業員のものとおぼしき手提げが、いくつか散乱している。

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