アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

沖縄こそ最大の霊的エネルギーの極点

2010-08-31 22:22:11 | SF
「レキオス」 沖縄こそ霊的決戦の舞台にふさわしい


「レキオス」 池上 永一 (著) 角川書店(角川文庫) 2006年

アメリカが駐留地として沖縄に固執する最大の理由は「思いやり予算」であるのかもしれない
海兵隊が殴り込んでいけばそこでは泥沼化した闘いにすべての民が疲弊するばかり
解決ではなく混乱をもたらすことは必定の部隊を居座らせるのに
本国からほどよい遠さで戦場にはほど近く、しかも費用は日本持ちとなれば何故出ていくのか
「地域主権」とある党は言うけれど、外国の軍隊を追いだせないで「主権」もくそもなかろう
北の怪しい国に占領される(?)ぐらいなら、ずっとアメリカに占領されたままで良いと・・

言うようなことを描いているのではない
P.K.ディックの小説「高い城の男」には日本・ドイツの枢軸国が勝利した仮想世界が舞台になっている
「レキオス」という歴史を覆すほどの宇宙的な力が隠された沖縄の地
これは仮想世界なのか現実世界なのか
P.K.ディックが現実を反転して浮き立たせた人間社会の深層に脈打つ暗部
「レキオス」ではディックほど高踏的ではなく、現実をデフォルメし
戯画化して弄び、そして非日常が日常に繋がって行く様を描いている

文字通りのカオス、それは大地に根ざしていると思っている現実世界に見事に溶け込んでいる
そういう世界を描けるのは池上永一が南の島の霊性を受けて育ったことによるのだろうか
読んでみなければわからないのでぜひ一読を乞う

 沖縄の湿度が実にまとわりつくほどの面白さ!

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