アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

萩尾望都氏推薦の本

2010-11-21 15:35:21 | SF
「虎よ!虎よ!」 SF入門時代の1冊


「虎よ!虎よ!」 アルフレッド・ベスター著 中田耕治訳 1956年作品
ハヤカワ文庫SF 1978年発行

SF小説を読み始めた最初の頃の1冊
新本を読む時、書店店頭で本を探すことが多かったが
この本を選んだ理由は漫画家の萩尾望都氏の推薦による
姉が読んでいた「ポーの一族」や「トーマの心臓」がとても面白かった
「11人いる」「百億の昼と千億の夜」などSFものも多い
そのインタビュー記事に、好きなSF作品はと問われ
答えがこの「虎よ!虎よ!」だった

人間は、どうしても観察者である自身の壁を超えられない
主観的心象世界のなかに捉えられているという永遠の束縛の中にいる
だから自分が特別な存在になる(あたりまえですね)
私が死ねば、私の心象としての世界も消え失せ宇宙も終る
(霊魂とか信じていれば不滅もあるかもしれませんが)
私に何がしかの決定的意味があるのではないか・・
自分が存在しなければ宇宙もまた存在しないと言う創造主に
自分が死ねば宇宙も消え失せると言う破壊者に

良い小説こそ究極のヴァーチャルリアリティをもたらす情報のインプットになる
(ディックの影響が大きいですね、この発想は)
フォイルになり世界の命運をこの手に握る
審判を下すのは私か・・

この本の後、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に本屋で巡り合った
ディック体験の前哨となった1冊でもある

 萩尾氏に感謝!

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