アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

シミュラクラ溢れる世界に

2010-10-10 22:00:00 | フィリップ・K・ディック
「あなたを合成します」 ディックにありきたりの世界とは?


「あなたを合成します」“We Can Build You” 1972年作品
阿部重夫訳 サンリオSF文庫 1985年発行

このページが埋められるかどうかは
帰路の高速道路の渋滞状況によります
今日中に帰ってこれるかどうか?

リンカーンがユニークだった
シミュラクラがいつか本人になりかわる
黒沢明の影武者でもありますね
映画ブレードランナーのレプリカントは
主人公よりも彼らシミュラクラの側に立って描かれているように思う
ディックの永遠のテーマは

偽物が本物になる・・のではなく
私は偽者ではないのか
悪夢を振り払って現実を見出すのではなく
現実のギミックを削り取って行った先に本質としての「悪夢」を見る
究極の相対化があるのだろうか
彼の神学も「絶対」の基準点を持たない相対世界の中で
どこから見ても「神」と見えるもの
ありえない神を探し求めている
原理主義的でない相対的な神はあり得るのか
普通の人間は、そんな神では頼りないし、神として定義されざる者だと思うだろう
「ヴァリス」に近づいていくのか楽しみでもあり恐ろしくもあり


「あなたをつくります」
佐藤龍雄訳 創元SF文庫 2002年発行

 面白かったとも思うが読み直しできず確証がない・・

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