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眼前の老人の魔力が、目に見えて膨張していく――それと同時に代謝が活発になり、先ほどまでの傷が見る見るうちに治癒し始めていた。
末端に至るまでそうだが、吸血鬼化による肉体の顕著な変化のひとつが、細胞分裂の際の組織の劣化、老化が起こらなくなるということだ――体組織の劣化、細胞老化の指標のひとつに染色体の末端部に存在するテロメアの短縮が挙げられるが、吸血鬼化する際に細胞分裂に伴うテ . . . 本文を読む
さっきまでねー、『現在公開可能な情報』と称してネタばれ情報とか明確に説明されてない情報をちょこちょこページの間に挿入してたんです。
進撃の巨人のアイキャッチを見て思いついたのですが――最初は楽しかったけど、だんだん飽きてきました。
おとなしく本編とセルフスピンオフの続きやろう、そうしよう。 . . . 本文を読む
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「まあいいさ――夜は長い様で短い。そろそろ終わりにしよう」
そう告げてアルカードは――刃の手元に刻まれた刻印によると、銘は荊の刺刑《Rosethorn Excute》というらしいが――と黒禍を構え――いつの間に間合いに入ってきたのか、眼前で笑っている老人の姿に小さく毒づいた。
「イヤァ!」 咆哮とともに、老人が紅華の連続突きを繰り出してくる――先ほどまでより格段に速い。致命傷に . . . 本文を読む
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老人が鋭い動きで踏み込み様に、手にした黒禍を突き出してくる――アルカードはおそらく端からはほんのわずか頭が揺れただけにしか見えないであろう小さな動作で、突き込まれてきた黒い穂先を躱した。鋭利な刃がこめかみをかすめて、黒禍の穂先が視界の一部を埋める。それを無視して、アルカードはウォークライの銃口を老人に突きつけた。
射線上に捉えられたことを悟って表情を硬くさせる老人にかまわず、 . . . 本文を読む
「大丈夫、真っ先に滅びるのは爺さんだから。日本滅亡は見なくて済むぜ」
その言葉に、老人がわずかに目を細める――吸血鬼の絆、精神支配に駆り立てられて、六人の噛まれ者《ダンパイア》が地面を蹴った。
「キャァァァァァッ!」 噛まれ者《ダンパイア》の一体が、奇声をあげながら横合いから襲ってきている。こいつが一番近い、そう判断してアルカードは右側方に踏み出した。
右手から襲いかかってきていた噛まれ者《ダ . . . 本文を読む
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血まみれになった長大な刃を備えた巨大なリボルバー拳銃を肩に担いだ金髪の『正体不明《アンノウン》』が頭上に視線も向けないまま、無造作に左手を振り翳す――次の瞬間、彼はまるでそう図ったかの様に頭上に落下してきた長剣の柄を発止と掴み止めた。
落下する方向を視線も向けないまま掴み止めた荊の刺刑《Rosethorn Excute》を二、三回頭上で旋廻させ、白銀の鋒を地面に軽く打ちつけて . . . 本文を読む