阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

令和三辛丑年 歳旦

2021-01-01 14:03:52 | 狂歌鑑賞
 当地は昨夜も少し積雪して、また今も粉雪が舞う寒い正月だ。朝十時頃少し晴れ間が出て、この隙にと外へ出て2021年最初の写真は爺様の松。



原爆で尾長町の家を焼かれた祖父が、祖母や母が一足早く疎開していた親せき宅の近くに終戦後土地を買ったのがこの場所で、今の家は二十五年前に父が建て替えたものだ。前の家に母の姉妹も含めて三世代住んでいた頃は、正月には冷蔵庫に入らない程の大きなブリを一匹買って土間にトロ箱のまま置いていても腐らなかった。今はそうはいかないし八分の一でも余ってしまう。この松の木は、祖父が家を建てた時に門松として山採りの成木を植えたそうで、植えたのは七十年前だがこの木が山で芽を出したのはもっと前ということになる。子供の頃、五十年は前の話だが、祖父に怒られて夜にこの松の木にロープで縛りつけられたことがある。近くでアオバズクがホッホッ鳴いて怖かった。松の木の根元を見るとその時の事を思い出す。





  悪さして松にくくられ鳴き居れば月夜にほうとふくろうの鳴く


土手に上がると、空は晴れていたが西の阿武山には雲がかかっていた。低い雲は雪雲だろうか。




右手を流れるのは三篠川、去年はこの川について書いてみたいと思ったのだけど、コロナで資料集めがままならずまだ一行も書けていない。今年は少しでも書き進めたいと思う。この写真を撮ったあとまた曇り空となり、今はちらちら雪が舞っている。

さて、今年最初の記事であるから、お正月の狂歌を紹介しておこう。今年も書くことに困ったら狂歌になりそうだ。貞柳撰「五十人一首」から高政の歌、


  初夢に
  かねひろふ
  ともよしや
  たゞ
  人もかしこひ
  をとすまい物


確かにお金を落とす人がいなければ拾うことはできない。そんな新年早々虫の良い話はないということだろうか。初夢は正月二日の未明に見る夢ということになっていて、今晩枕元に宝船とか並べて・・・しかしこれは大晦日の夜は寝ないで年神様をお迎えする前提で二日未明が初夢となっているのであって、昨夜ぐっすり寝て夢も見たという人はそれが初夢で構わないのではないかと思う。

今年もこんな調子のブログですが、よろしくお願いします。