今日は木曜で休診日。何処に遊びに行こうか、それにしても暑すぎて外に出る気になれないな などとベッド上で考えていた午前9時過ぎ。携帯が鳴りました。訪問看護師からでした。「〇〇さんが38.5℃の発熱、サチュレーションは96%、血圧は・・・・」肺炎ではなさそうです。肺炎でない発熱、全身状態にも問題はなく、緊急性はなさそう。昼前後に往診しますと伝えました。
のろのろ起き上がり、素麵を湯がいて食べました。配偶者は五色が原付近に出張中です。一人飯は侘しいですね。
ところで、侘び寂びという言葉の中では「侘び」という言葉はプラスイメージなのに、侘しいと形容詞になると、もの悲しさを感じさせるマイナスイメージの言葉になっちゃいますよね。そういえば、寂びもそうですね。寂びは古びた美しさを愛でるプラスの言葉、寂しいはマイナスの言葉ですよね。日本語って難しい というか、日本人の感性は繊細かつ微妙なバランスの上に成り立っているのですね。
閑話休題、昼過ぎちゃいましたが、患家に行きました。採血と点滴をしようとしましたが、その前にこれ確かめておかないと と、SARS-CoV-2抗原検査を施行。寝たきりの患者さんで、感染の可能性は低いと思いましたが、念のため。
何と、直ぐに陽性のラインが出てきました。あららららー。コロナじゃないですか!!
私、あろうことか、油断しておりました。マスクすら付けていなかったのです。大慌てで車に戻ってN95マスクを装着しました。患者さん、熱は38度台後半と高いのですが、呼吸音には異状なく、動脈の酸素飽和度も97%と良好でした。しかし、88歳の高齢者であり、複数の疾患をお持ちの寝た切り患者さん。重症化する可能性は相当高いと思われます。食欲が低下していて飲水もできにくくなっているとの事でしたので、主介護者の娘さんに入院加療を強くお勧めしました。ご本人は認知症が進んでいて、そこまでの判断能力はありません。意思の疎通は可能ですが、そのレベルは高くはないです。
娘さんの返事は ”No” でした。半年ほど前に重症肺炎で入院していただいたのですが、その時に認知症が相当進んだのだそうです。その上、本人が入院を強く嫌がっているとの事でした。
それで、腎機能などの内臓機能、服用中の薬を確認したうえで、パキロビッドパックを使うことにして患家を辞しました。
医院に戻って、パキロビッドパックの処方箋をFAXで志都美薬局に送ったのですが、それを追う様に患者さんの娘さんから電話がありました。「食べません、飲めません。薬も飲めない様に思います。点滴してください。」
結局、入院したらするであろうと思われる治療を、患家でそっくりそのまま行うことになりました(内容を決めたのは私ですけどね。)
24時間の持続点滴で1500mlの3号輸液を入れ、側管から抗コロナ薬のレムデシビルを1日1回30分以上かけて滴下する。
レムデシビルなんて高価な薬(1本6万3千円 3日分4本で25万2千円)持っている薬局あるのか?それが一番の問題だなと思ったのですが・・・・志都美薬局 やはり、何とも頼りになります。奈良県が誇る2つの薬局、志都美薬局とさなえ薬局。志都美には國廣英一 薬剤師 さなえには二十軒栄亮 薬剤師 二人とも緩和ケア医療にとても長けていて、麻薬などの調剤の面では医師の上を行くスーパー薬剤師です。
レムデシビル使いたいのだけれど、在庫ありますか?
ありますよ!
ほどなく、國廣薬剤師自ずから3日分4本を医院まで持ってきてくれました。院内で点滴回路、調剤を済ませました。患家での滞在時間を出来るだけ短くするためです。
患家では10分程度で持続点滴用のプラスチックチューブの針を上腕の静脈に何とか挿入、24時間点滴及び側管からのベクルリーをセットし終えました。
明日からは、訪問看護師が点滴の管理をしてくれるそうです。
私、新型コロナに感染してしまったかもしれません。明日からはN95マスク着用で仕事に当たることにします。感染したとすれば、自分が油断していたからで、自業自得、それは仕方ないけれど、今日1日を振り返ると、信頼できる院外処方薬局、訪問看護ステーションと良いチームワークで仕事が出来、患者さん、患者さん家族の要望を満たすことが出来た気持ち良い1日でした。帰り道、王将で冷麺と餃子を食べて、生餃子を息子の土産に買って帰って・・・今、ブログ打ち込んでいます。気分は良好!いまのところはね!!
感謝を現わしていただけるのが、何よりうれしいです。ありがとうございました!