この物語、小説と漫画があるのだけど。
私はリアルタイムで小説を読んでいた。
一生のうちで、たぶん1番読書をしていた高1の頃。
ストーリーは、と言うと。
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(画像、お借りしました~♥️)
時は平安。
京でも指折りの名門貴族の娘である瑠璃姫は16歳。
本来ならとっくに結婚していてもおかしくない深窓の姫君、なはずなのだけど。
母君が亡くなって喪もあけないうちに新しい女性を連れてきた父親に幻滅し、すっかり独身主義になっている。
そして、幼き日の初恋の相手、吉野君(よしののきみ)の面影を胸に独身主義を貫こうと思っていたところ。
世間体を気にする父親は、結婚適齢期をすぎた娘を権少将と無理やり結婚させようと、ある夜、陰謀をはかる。
陰謀、というと大袈裟だけど、早い話が、娘の部屋に権少将を強行突破させる、という手荒なもの。
あわや、強行突破(笑)されそうになったところを助けてくれたのが、幼なじみで年下、筒井筒の仲の高彬(たかあきら)だった~♥️
実は瑠璃姫は、高彬と行く末を契ったことなど、すっかり忘れていたのだけど、高彬の方は幼少の頃に共に遊んだ瑠璃を一途に想い続けていたかわゆい年下男子。
きゃ❤️すてき。
この高彬、性格は生真面目でお役目一辺倒、瑠璃とは違い、身分や世間体を重んじる常識人。
堅物すぎる余り、帝をはじめとする他の宮中人からその生真面目さをからかわれるような年下男子。
一方。
この瑠璃姫、そんじゃそこらの姫じゃない。
勘が鋭く、頭の回転がいい。
その上、勇敢で情にもあつく、必要とあらば、女房に変装し他家(時として後宮)に忍び込むことも辞さない行動力の持ち主。
これが、深窓の姫君でなければ、素晴らしい長所なのだけど。
なよやかな女性がよいとされる平安においては、瑠璃姫は、物の怪つきの姫と噂されてしまう。
売れ残り、と父親が心配していた瑠璃姫には、有望な公達、高彬という筒井筒の幼なじみがいて、めでたしめでたし、とならないのが、このなんて素敵にジャパネスク、なのだ。
ひょんなことから。
瑠璃姫が、帝を巻き込む陰謀に巻き込まれる。
そこには。
鷹男、という東宮の命を受けて暗躍する、きりりとした端正な男性が登場するのだけど。
↓鷹男
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実は、鷹男というのは、仮の姿で、実は東宮(次期帝ね🍀)ご本人なのだ~❤️
つまり。
東宮、御自ら宮中を出て、スパイとして暗躍していたの。
鷹男は。
盗賊もどきの行動ができる胆力の持ち主でもあり。
和歌を読ませれば、当代随一‼️
また、瑠璃姫には高彬という婚約者がいることを知っていながら、雅な、でも嫉妬に苦しむ恋を歌った文を送ってきたりもできる粋な男。
たぶん、人気No.1。
一途でかわゆい年下夫の高彬派とみやびな東宮、鷹男派。
当時から誰派?ってファン同士の中で、熱き戦いが繰り広げられてきた。
そう‼️まさに、キャンディキャンディのアンソニーか?テリィか?
アルバートさんか?みたいに。
で。やっぱり。
キャンディキャンディと同じように。
やはり、第3のイケメンが出てくるのだ‼️
それは。
「吉野の君❤️」
瑠璃姫が、幼き頃過ごした吉野の里で一緒にあそんだ童。
女の子と見まがうばかりのきれいなお顔で、瑠璃と将来を近い合うのだけど、流行り病で、ぽっくり亡くなる。
と言うのは、表向きで。
実はその吉野の君、帝のご落胤。
父親の身分も知らず、田舎暮らし。
幼き日から何もない吉野の君が、たったひとつ望んだのは、一人の姫と幸せに暮らすことだけ。
それなのに、帝は、争いの種をつもうと吉野の君を無理矢理落飾させるの。
そして。その吉野の君は、父親である帝近くに僧侶としてつかえていたのだけど。
昔、好きだった瑠璃姫が、異母兄である東宮(鷹男ね)の女御にあがる、との噂を耳にする。
全てを手にいれている兄が、自分がたったひとつ欲しいと夢見てかなわなかった姫を手にいれる‼️
そして。
吉野の君は、鬼になる。
と、まあ、こんなストーリー❤️
私は、もちろん?「吉野の君派」
薄幸の美少年、吉野の君❤️
当時。関西に住んでいたこともあり、吉野にはまって、ちょくちょく訪れていた。
特に。
桜の季節は最高なの❤️
そして。
不謹慎かも、だけど、私は、「僧侶」にロマンを感じるようになった❤️
勝手な妄想を抱いちゃう。
そして、それが高じて、高野山やら比叡山に参拝し、お坊さん観察をしてしまう。
実家がお寺、とかいう友達もいて、実際のお坊さんの「なまぐ○坊主」ぶりも十分わかっているんだけど。
でも、その中にも本物がいらっしゃる、と感じることがある。
大願成就と所願成就はどっちが、得か⁉️みたいなえげつない冗談を友達としていたら、そばにいた高野山の若い僧侶が、「仏光倍増」という言葉もありますよ、と教えてくれた。
仏さまの光が増しますように、という意味であると。
そして、彼は。
真冬の寒い季節にも。
弘法大師さまが、入定なさったお堂(立ち入り禁止)の扉の隙間に手をかざすと。
真冬の極寒の中ですら、お堂の中から暖かな空気が流れてくるんだと教えてくれた。
それを聞いて、私はものすごく恥ずかしくなった。
私と年の変わらない若い僧侶の気持ちの凛々しさ、清々しさに、圧倒され、自分が大切なものを大切にしていない、と気づかされた。
それから。少し。
目に見えないもの、心にだけ住むものを大切にするようになった。
なんて素敵にジャパネスクを読むたび、あの時の、私と同い年くらいの若い僧侶はどうしているんだろう?と思い出してしまう。
どこのお寺にいようとも決して、なまぐ○坊主にはなっていない、と確信している。