なんで、そうスピードを求めるかねえ。現代人は、っていうか人類はずっとそうだったのかもしれないけれど、時間をかけることを嫌うね。早く、速くっていろんなことを進めてきた。他人を出し抜こうであったり、手を抜いて手間暇かけたのと同じ結果求めたり。
スピード化、短縮化は文明の進歩の一側面だから否定する気はないけれど、すべてがすべてスピード最優先でことを進めていいわけがない。命には命のリズムがあるもの。それ . . . 本文を読む
自分らしく、なんぞくだらない。自分にこだわっているとろくなことにならない。自分らしくいようとするから生きにくくなる。
自分の底を抜いてしまうのが本当である。あるがまま、ありのまま。自分を突き抜けた向こう側に広がる世界はそのままで大丈夫な世界である。
ありのままの自分なんぞという言い方をしたりするが、誤解もいいところ。ありのままにたどり着けば、そこには自分なんぞいない。
論語にある。
七十にし . . . 本文を読む
考えるほどに解らなくなる
ならば、いっそ
考えるのをやめればいい
考えるのをやめたとき
我はその場から
立ち去り、消え失せる
空っぽになったら……
いや、空っぽではない
我が消え失せた、その後にこそ
姿を現わす、なにか
ただ「在る」
その不思議に感応したとき
私の正体に目醒める
私とはこれのことか . . . 本文を読む
日本料理は引き算で、西洋料理は足し算だと誰だか忘れてしまったがある料理人が言っていた。
料理は思想だな、とつくづく思う。いや、料理に限らず人間のやることなすことすべて思想なのだけれど。
衣食住という生活の基本でいえば、ファッションは美の創造でもあるが人の生き方、在りようの提言でもある。建築物は空間の創造であり行為の物質化である。
ライフスタイルは要するに思想である。その人の考えを反映しない生 . . . 本文を読む
箱物行政が失敗するのは、そこに熱がないからなのよ。とりあえず作りゃいいやってンで作るからコケる。作っておしまい。こうしたいって熱が発意なら箱物それ自体も熱を有(も)つ。建築物も生き物だからね。魂が入っていれば、魂を呼ぶのよ。
本来、器ってそういうものなのよ。器はそれに見合ったものを呼び込むの。中身が先にあって、それを入れるために器を作るんじゃないんだな、実は。器があるから中身が生まれるんだよ。
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こうなった以上、逃げられない。
「こうなった」にはその時々でいろいろな状況が当てはめられるだろうけど、普遍的な状況としては「生まれてしまった」というのがある。
生まれてしまった以上、逃げられない。
そんなことはない。逃げようと思えば逃げられる。死を選べばいいではないか。そう考える人もいようが果たしてそうか。
死ということについて私たちは何も知らない。知らないことを選ぶことで逃げられるのか。 . . . 本文を読む
人間は遊ぶ動物である。
遊ぶことに実益はあろうが、遊びが遊びたるゆえんは無益だからであろう。無益だからこそ楽しいのである。
では何故無益なことが楽しいのか。
なんでだろうねえ。生きるにあたって役にも立たないことがなんで楽しいんだろうね。
だいたい人間のやってることのどのくらいが実益をともなっているのかしらね。経済に組み込まれてしまえば、なんとなく実益であるように錯覚しちゃうけど、実のところ無 . . . 本文を読む
貝塚の昔からゴミは生活圏から遠くの地へ追いやられる。ま、当然ですわな。ゴミだもの。
衛生上の配慮もあろうし、不浄なものは遠ざけたいということもあろう。
遠ざけて済んでいるうちはいい。それを処理しなくてはいけなくなったとき、以前と同じ感覚で処理する場を遠くにもっていくとロクなことにはならん。処理しなくてはいけないくらいなのだ。ゴミの質、量ともに考えなければならないレベルに達しているのにもかかわらず . . . 本文を読む
なにをもって奴隷制というのか知らないけれど、人を人として遇さないことをもって奴隷制と定義すれば、今の世も奴隷制と見ることは可能である。奴隷制は過去の話ではない。
そのような社会の在り方はいびつである。いびつな形は早晩崩れる。長持ちはしない。
ようするに未熟なのだ。未熟だからいびつなのだし、アンバランスなのだ。調和を知らない社会は傾く。崩壊する。
この社会の在り方の寿命は、あとどのくらいか。 . . . 本文を読む