かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

夫の悩み、妻の悩み

2006年04月24日 | 昼下がりの外来で
「もう離婚するしかないって言われました」

禁煙外来にSさん(77)と連れ立っていらした奥様の言葉。
奥様は夫のタバコの煙が原因で何度もノドや気管支を痛め、そのたびに病院を訪れ、最後には医師に、「夫に禁煙してもらうか、さもなくば離婚するしかない」と言われてしまったそうです。

「この人のお陰で私は医療費がかさむばかり!何年も前から禁煙させようと色々やってはみたんですが、まったくやめる気配がありません。夫の喫煙が私にとって最大の悩みなんです

『ご主人はどう思っていらっしゃるんですか?』

肝心なのはSさん本人
言い分を聞かないわけにはいきません。

「最近息切れがするんです。夜寝ているとノドがヒーヒーいうし・・・やめたくてもどうにもやめられないんですよ。夕べも家内に、頼むからタバコをくれと泣いて頼みました」

『タバコがよくないっていうのは、よお~くわかっていらっしゃるんですよね』

「私はダンスが好きなんですが、このところずっと行かせてもらえないんで、最近すっかり足が弱ってしまいました・・・」

Sさん、なんと老人会のダンスクラブに通っていたそう。
けれど、ダンスクラブの練習場である町内の集会所には喫煙所があるので、奥様に行かせてもらえないんだそうです。

『禁煙するためのお薬がありますよ。タバコをやめて、ダンスもまた始められればいいですね

集煙機という名の大きな灰皿を置いているような集会所は、放っておけませんっ




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アジアの片隅の小さなスタジオで | トップ | 禁煙探検隊 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

昼下がりの外来で」カテゴリの最新記事