「東北歴史文化講座:東北で紡がれた手仕事の物語」というのに出かけていった。
新幹線のなかの雑誌で見つけて、応募したら抽選に当たり、従姉妹を誘って秋葉原へ。
講師は、十和田湖畔で東北の手仕事を紹介、販売、自らもプロデュースをしている田中陽子さん。
からむし織りの素敵な着物と帯をお召しになっていた。
会場には、東北の職人さんたちによる作品も並んで、講話の前後で、実際に手にとって見ることもできて楽しかった。
写真左端は、雨の日も雪の日も、野山で使い、いろりの火で燻されもしたであろう大きな背負いカゴ。
触ってみるとなめし皮のような柔らかさだったけれど、これが葡萄のカゴだというからびっくり。
使い込んで、生活が刻まれたものに宿る美しさは、唯一無二だ。
他に紹介されたのは、秋田の曲げわっぱのお弁当箱や、漆塗りの器、仙台箪笥の職人による木のバッグ、絡むし織など。
30年来、東北の職人さんを尋ねて歩き、職人さんから聞いた色々なお話を紹介しながらの講演は、東北の人らしい彼女の心の温かさと、絶滅寸前の伝統工芸をどうにかして残したいという熱意が伝わってきた。
単に作品を店に置いて売るのではなく、現代の生活にもマッチするようなデザインを提案したりもしていることが、意義あることだと思った。
講演という観点でみると、職人さんが語った言葉は東北弁を使っていらっしゃったが、ご自身の話し言葉もそのまま東北弁だったら、もっと良かったのに、と思った。
見事なこぎん刺しが施された藍染のズボン。
布地は麻。
そもそも刺し子は、麻布の耐久性や保温性を高めるために施された。
このズボンの形は「たっつけ」というらしい。
膝から下部分は限りなく細く、脇は広く開いており、先日リメイクしたスカートみたいに、紐で縛るようになっている。
刺し子は裾までびっしり。
これは、弘前の辺りは水田ではなくて、陸稲だったから、なのだそうであるが、めちゃくちゃカッコイイではないか。
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