かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

ロールモデル

2019年07月05日 | Angels' message

昨年初めて訪れたIF中学校。

1年生であったけれど、男の子にも女の子にも、少々、やんちゃな子が目立った。

 

「今年は、去年より落ち着いています」

 

校長先生たちにはそう言われたけれど、浮ついた態度の生徒が多いのは校風のようだ。

初めて会う外部講師にも、物怖じせずに騒ぐ彼ら。

こういう生徒たちを相手にするときは、授業の前半では特にエネルギーを使う。

 

けれど、授業の中盤、ある話をする頃から、それまでの浮ついた落ち着きのない空気は消えて、生徒はみな真剣な顔つきになり、一気に集中してくる。

こちらの作戦勝ちだ(笑)

 

授業後、色々質問が出た。

中学生ともなると、なかなか鋭い質問もある。

大切なのは、彼らがなぜそのような質問をしてくるのか、その意図(心)はどうなのかを考えて答えること。

 

「ヘビースモーカーでも長生きしてる人がいますけど?」

 

確かにいる。

でも、そういう人達も、依存症という病気に長年苦しんでいるのだ。

君たちには、心から、依存症にかかって欲しくないと思っている。

 

「センセイは、タバコを吸ったことがありますか?」

 

ない。

幸い、小学生の頃に、依存する薬物であることを教えてもらった。

たとえお試しでも、これまで吸わずにきたことを、本当によかったと思っている。

 

 

「職場の同僚で吸っている人いますか?」

 

いない。

いまどき、医者はタバコを吸わない。

 

・・・・本当は、まだタバコがやめられない医者もいる。でも、中学生の彼らは、ロールモデルを求めているのだ。実際、親が喫煙者であると、喫煙者になってしまう子供は多い。大人は子供にとっての模範であらねばならない。子供から非難されず、正面からきちんと向き合える大人になれよ!と周囲の喫煙者に心の中で訴えながら、答えた・・・・

 

「この中で、将来吸いそうな奴いますか?」

 

・・・・この質問をした男子生徒は、どういう気持ちを投げかけてきたのだろうか?授業のなかで、Smoker’s Faceについて話をしたので、生徒の中にすでに吸っている子がいて、その子がわかるか?という意味だったのだろうか?・・・・

 

『いません。私の授業を聴いて、タバコを吸う人はいないはずです!』 と答えた。

そうしたら、生徒たちから「おお~っ」という声があがった。

 

 

中学生諸君!

今回も、勉強させてもらってありがとう。

お互い、がんばろうぜ!

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ゲッツでポイント | トップ | 刺し子のたっつけ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Angels' message」カテゴリの最新記事