講談社現代新書
イギリス近代史講義
川北 稔【著】
講談社 (2010/10/20 出版)
プロローグ 歴史学は終わったのか
第1章 都市の生活文化はいかにして成立したか―歴史の見方
第2章 「成長パラノイア」の起源
第3章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス
第4章 世界で最初の工業化―なぜイギリスが最初だったのか
第5章 イギリス衰退論争―陽はまた昇ったのか
エピローグ 近代世界の歴史像
衰退国の先輩に学ぶ - 『イギリス近代史講義』 : アゴラ
ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん
歴史家が、同時代にどのような影響を与え得るか」
基本読書
で、これはそもそもの始まりの話が大変面白いんですよね
たしかに、「つかみ」から逸らさない感じ?
イギリス近代史講義 - 本と奇妙な煙
という風に、内容紹介は先達各位にお任せして、と。
ドックの話があるなど。(ドッグではないw)
当該箇所を要約しようかと思ったら、著者が詳細記載されているものを発見!
世界の砂糖史 (11)
~砂糖を運ぶ~ 大阪大学名誉教授 川北稔
"ところで、産業革命を経験し、ロンドン港の交易が激増すると、シティの特権ポーターの存在は、交易の支障となり始めた。このためシティからテムズ河口に及ぶロンドン港に、荷役用の巨大なドックがつぎつぎと建設された。ドック地帯の成立である。"
辞書で:dock
<書評や感想ではなくて、店主が連想したことを主に記すブログである件>
突然、1960年代の名作ミュージカルに思考が飛ぶ・・・。
時代設定シリーズ:
(1)
映画マイフェアレディの時代背景はいつごろですか? 1910年代頃ですか?
マイ・フェア・レディ」の時代設定は1911年。まさに第1次大戦直前のベル・エポック。
SETTING: London, March 1912
まあ1年くらいの違いはどっちでもいいか。
・ピカリング大佐が、長年のインド勤務を終えて帰国した人物である件、
・イライザのお父さんがアメリカ人の成金に気に入られ、遺産を相続して(だっけ?)大金持ちになってしまう件、
など、時代を感じるきっかけになるかも、と思ったものだったりして。
(話はさらにそれるが)
相続という言葉は、ご案内のように
相続人=遺産を受け取る人、
被相続人=遺産を残して亡くなる人、
なので、「相続する」とは「受け取る」方であり、亡くなった人は「相続される」(この表現が紛らわしい元)方になる。
ここがちょっとイメージと違うらしく、遺産を残すという行為=相続する、だと誤解して文章を書いてしまう例があるな。
最近見かけたさる大手マスコミの…を探したが、どこにいったのだっけ。よかったね。
(2)
映画「メリーポピンズ」の時代背景、おもな登場人物とあらすじについて述べる。舞台は1910年のロンドンである
このミュージカルの最初の歌は、「女性参政権運動の同志よ!」(邦題「古い鎖を断ち切って」)という、社会運動の歌なのです
・そうそう。バンクス夫人は婦人参政権運動のデモだか何だかに行ってきたのだ(ったっけ)、
・2ペンスの取り合い(前夜、メリーポピンズに歌ってもらった歌の印象が強くて、ハトにやる餌を買いたいマイケル少年と、銀行に預金しなさいという父バンクス氏および勤務先の大仰な名前の銀行の重役たち)がひょんなことから取り付け騒ぎに発展してしまう…というアリエナイザー的ドタバタなのだが、
(またも話逸れる)
うちにあるのは、昔のテレビ放映をビデオテープに録画した吹き替え版(2ヶ国語ではない)なのだが、「あすはお父さんの銀行に連れて行ってやろう」みたいな話になった際に、子どもたちが
「町へ行くのね」
と応じる。
これには異議がある。
(2ヶ国語でないので原語でなんというセリフなのか未確認なのだが)元のセリフは、「the Cityに行くのね」と言ったのではないかと睨む。
つまり、邦訳は、「町へ行く」のではなくて、「金融街に行く」または、「シティに行く」であるべきではないかと思う件。
だいたい、バンクス家だって市内にあるたたずまいなのだから、町にいるのに「町へいく」とは矛盾する…と、ぶつぶつ。
・取り付け騒ぎなどというものは、歴史上の出来事か、映画やドラマの中の作り事だと思っていたら、生きているうちにニュース見聞きするようになるとは思わんかった件、
・銀行のと踊り、なに?頭取じゃないか、えーと頭取はじめご一同がマイケル少年の2ペンスを預金しなさいと勧める歌を歌って行進するのだが、その内容が、こんな感じで
…
You see, Michael, you'll be part of
Railways through Africa
Dams across the Nile
Fleets of ocean greyhounds
Majestic, self-amortizing canals
Plantations of ripening tea …
ほほお、大英帝国の海外植民地での投資の数々・・などを歌っているのだな、
などと聞かされたうちの子どもたちは、覚えていないだろな。
邦訳見つけた
さすが!
信用創造にまで説明を発展。
「子供の躾に厳格なバンクス氏は子供たちに倹約を教えようと預金させようとした」というような説明は理解が浅いと言わざるを得ない(笑)。
信用創造に海外資産の拡充(植民地のインフラ投資)・・・と話は遠大なのだ。
ヴィクトリア女王からエドワード7世を経て、ジョージ5世(演説で苦労したヒトのお父さん)治下ね。
陰りが見え始めるが、まだまだ・・・。
時代が下って、第2次大戦を経て、もう本当にあっちでもこっちでも・・・という場面に立ち会った元船乗りの外交官は、大戦中日本の駆逐艦に助けられた人物だった件。
『ありがとう武士道―第二次大戦中、日本海軍駆逐艦に命を救われた英国外交官の回想』
<古いエントリはどうしてもリンク切れが生じている件>
そう、名作ミュージカルは侮れない。
いずれもロンドンを舞台にしたアメリカ映画か。
イギリス近代史講義
川北 稔【著】
講談社 (2010/10/20 出版)
プロローグ 歴史学は終わったのか
第1章 都市の生活文化はいかにして成立したか―歴史の見方
第2章 「成長パラノイア」の起源
第3章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス
第4章 世界で最初の工業化―なぜイギリスが最初だったのか
第5章 イギリス衰退論争―陽はまた昇ったのか
エピローグ 近代世界の歴史像
衰退国の先輩に学ぶ - 『イギリス近代史講義』 : アゴラ
ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん
歴史家が、同時代にどのような影響を与え得るか」
基本読書
で、これはそもそもの始まりの話が大変面白いんですよね
たしかに、「つかみ」から逸らさない感じ?
イギリス近代史講義 - 本と奇妙な煙
という風に、内容紹介は先達各位にお任せして、と。
ドックの話があるなど。(ドッグではないw)
当該箇所を要約しようかと思ったら、著者が詳細記載されているものを発見!
世界の砂糖史 (11)
~砂糖を運ぶ~ 大阪大学名誉教授 川北稔
"ところで、産業革命を経験し、ロンドン港の交易が激増すると、シティの特権ポーターの存在は、交易の支障となり始めた。このためシティからテムズ河口に及ぶロンドン港に、荷役用の巨大なドックがつぎつぎと建設された。ドック地帯の成立である。"
辞書で:dock
<書評や感想ではなくて、店主が連想したことを主に記すブログである件>
突然、1960年代の名作ミュージカルに思考が飛ぶ・・・。
時代設定シリーズ:
(1)
映画マイフェアレディの時代背景はいつごろですか? 1910年代頃ですか?
マイ・フェア・レディ」の時代設定は1911年。まさに第1次大戦直前のベル・エポック。
SETTING: London, March 1912
まあ1年くらいの違いはどっちでもいいか。
・ピカリング大佐が、長年のインド勤務を終えて帰国した人物である件、
・イライザのお父さんがアメリカ人の成金に気に入られ、遺産を相続して(だっけ?)大金持ちになってしまう件、
など、時代を感じるきっかけになるかも、と思ったものだったりして。
(話はさらにそれるが)
相続という言葉は、ご案内のように
相続人=遺産を受け取る人、
被相続人=遺産を残して亡くなる人、
なので、「相続する」とは「受け取る」方であり、亡くなった人は「相続される」(この表現が紛らわしい元)方になる。
ここがちょっとイメージと違うらしく、遺産を残すという行為=相続する、だと誤解して文章を書いてしまう例があるな。
最近見かけたさる大手マスコミの…を探したが、どこにいったのだっけ。よかったね。
(2)
映画「メリーポピンズ」の時代背景、おもな登場人物とあらすじについて述べる。舞台は1910年のロンドンである
このミュージカルの最初の歌は、「女性参政権運動の同志よ!」(邦題「古い鎖を断ち切って」)という、社会運動の歌なのです
・そうそう。バンクス夫人は婦人参政権運動のデモだか何だかに行ってきたのだ(ったっけ)、
・2ペンスの取り合い(前夜、メリーポピンズに歌ってもらった歌の印象が強くて、ハトにやる餌を買いたいマイケル少年と、銀行に預金しなさいという父バンクス氏および勤務先の大仰な名前の銀行の重役たち)がひょんなことから取り付け騒ぎに発展してしまう…というアリエナイザー的ドタバタなのだが、
(またも話逸れる)
うちにあるのは、昔のテレビ放映をビデオテープに録画した吹き替え版(2ヶ国語ではない)なのだが、「あすはお父さんの銀行に連れて行ってやろう」みたいな話になった際に、子どもたちが
「町へ行くのね」
と応じる。
これには異議がある。
(2ヶ国語でないので原語でなんというセリフなのか未確認なのだが)元のセリフは、「the Cityに行くのね」と言ったのではないかと睨む。
つまり、邦訳は、「町へ行く」のではなくて、「金融街に行く」または、「シティに行く」であるべきではないかと思う件。
だいたい、バンクス家だって市内にあるたたずまいなのだから、町にいるのに「町へいく」とは矛盾する…と、ぶつぶつ。
・取り付け騒ぎなどというものは、歴史上の出来事か、映画やドラマの中の作り事だと思っていたら、生きているうちにニュース見聞きするようになるとは思わんかった件、
・銀行のと踊り、なに?頭取じゃないか、えーと頭取はじめご一同がマイケル少年の2ペンスを預金しなさいと勧める歌を歌って行進するのだが、その内容が、こんな感じで
…
You see, Michael, you'll be part of
Railways through Africa
Dams across the Nile
Fleets of ocean greyhounds
Majestic, self-amortizing canals
Plantations of ripening tea …
ほほお、大英帝国の海外植民地での投資の数々・・などを歌っているのだな、
などと聞かされたうちの子どもたちは、覚えていないだろな。
邦訳見つけた
さすが!
信用創造にまで説明を発展。
「子供の躾に厳格なバンクス氏は子供たちに倹約を教えようと預金させようとした」というような説明は理解が浅いと言わざるを得ない(笑)。
信用創造に海外資産の拡充(植民地のインフラ投資)・・・と話は遠大なのだ。
ヴィクトリア女王からエドワード7世を経て、ジョージ5世(演説で苦労したヒトのお父さん)治下ね。
陰りが見え始めるが、まだまだ・・・。
時代が下って、第2次大戦を経て、もう本当にあっちでもこっちでも・・・という場面に立ち会った元船乗りの外交官は、大戦中日本の駆逐艦に助けられた人物だった件。
『ありがとう武士道―第二次大戦中、日本海軍駆逐艦に命を救われた英国外交官の回想』
<古いエントリはどうしてもリンク切れが生じている件>
そう、名作ミュージカルは侮れない。
いずれもロンドンを舞台にしたアメリカ映画か。