真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『平凡』 (角田 光代さん 2014年)が滲みる ~ べ つ の じ ん せ い

2015-04-11 | 読書-エッセイ/小説etc
平凡
角田 光代【著】
価格 \1,512(本体\1,400)
新潮社(2014/05発売)

【目次】
もうひとつ
月が笑う
こともなし
いつかの一歩
平凡
どこかべつのところで

つい想像してしまう。もしかしたら、私の人生、ぜんぜん違ったんじゃないかって――。
滲みる感…。

ダウントン・アビー、シーズン3-エピソード3の印象的な台詞を思い出す。
結婚式で新郎に逃げられてしまった翌朝の元新婦。

Anna: What would you like me to get you?

Edith: A different life.

伯爵家の三姉妹の次女イーディス(EDITH、当時28歳、僻みっぽい)は、長女メアリー三女シビル(こっちが先)に先に結婚されてしまい取り残され感のあまり、四半世紀(←原語。日本語版では二回り)も歳の違うストララン(SIR ANTHONY、妻は10年前に死去、子供なし)に猛アタックしてケッコンに漕ぎ着ける。

「僕のような年寄りではなくて、もっと若い男を見つけなさい」と逃げるのに、迫る迫る…で、ついに承諾させてしまう。
周囲は猛反対または微妙。

結婚するということが目標になっていた、かわいそうなイーディス。

いよいよ挙式当日。
教会で司祭が式を始めようとした途端、「できない」と叫ぶ新郎。

「君は(自分のような年寄りと一緒になって)人生を棒に振るべきではない」というわけ。  
「今さら何を言うか!無理だ」と(猛反対していた)伯爵…。

と、伯爵の母(Dowager Countess=先代の伯爵夫人、もちろん大反対)が「そうよ、(司祭の言う一時中断ではなくて)彼の言うとおり。行かせなさい。もう終わりにしましょう」
「この何ヶ月かで初めてまともなことをしようとしているのを止めないで」と場を仕切る。

帰宅して二階に駆け上がりベールを一階に投げ捨て、ティアラを頭からむしりとってベッドに突っ伏す新婦。
その翌朝、メイドのアンナが床のティアラを拾って、昨夜から飲み食いしていない(前日アンナがサンドウィッチを届けたが手を付けていなかった)イーディスに聞く。

アンナ(メイド):何かお持ちしましょうか?
イーディス:別の人生

のくだり。
そう。
べ つ の じ ん せ い。
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