真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

50年では生々しすぎて歴史を扱えない?~1995年スミソニアン博物館の企画をめぐる政治ドタバタの記録

2008-06-03 | 読書-2008
『拒絶された原爆展 歴史のなかの「エノラ・ゲイ」』
マーティン・ハーウィット 1997年
http://www.msz.co.jp/book/detail/04106.html

原題は
An Exhibit Denied: Lobbying the History of Enola Gay

戦後50年の機会に歴史をきっちりと見つめようとした著者らの努力が、政治的圧力に翻弄された挙句・・・、という無念さが込められたタイトルだと思った。
邦訳書名の後半(サブタイトル部分)は、(南面堂的センスで無責任に言わせて頂ければ):
~「歴史」のなかのエノラ・ゲイ
の方が良かったんではないか?

「歴史」なんて所詮は勝者が描くものであると思うのだが、敗者の言い分も聞ける状況で、事件のあとの半世紀に及ぶ展開も踏まえて、人々が客観的に歴史を判断できるよう材料を提供しようとした試みがぐちゃぐちゃに翻弄されて挫折していく~その経緯が、関係者の文書などをふんだんに引用して、これでもかと詳細に描かれている。

ハーウィット博士の意欲的な企画は、20世紀末のアメリカの皆さんには「やり過ぎ」でした、というわけなのでしょうかね。

読みにくかったが、読んでおくべき資料ではあるのだろう。
また関連図書に手が伸びてしまう。

よく、日本の若者に「え、日本とアメリカが戦争したの?で、どっちが勝ったの?」などとほざく阿呆がいると言われるが、アメリカでも街頭インタビューで、誰が誰に原爆を落としたか知らない/真珠湾で日本が使ったんじゃないの?などという若いもんがいるとの記述が面白い(というか、ため息なのだが)。

この点、日本の隣の大国(地震はお見舞い)では、「歴史教育」が徹底されてきたようなので、地震の救援物資を持ち主の飛行機で運んできてもらうのもいかんなどという非常識なことにもなるわけですか、はい。

著者紹介~コーネル大学名誉教授
宇宙物理学者ですね。
Professor Emeritus of Astronomy
http://www.astro.cornell.edu/people/facstaff-detail.php?pers_id=640

スミソニアン国立航空宇宙博物館 の「以前の展示物」としてのエノラ・ゲイの紹介
http://www.nasm.si.edu/exhibitions/gal103/gal103.html
フライトシミュレーターに場所を譲り、現在はSteven F. Udvar-Hazy Centerというところに展示されているのです、と。

ダレス国際空港そばの博物館の別館ですか。
http://www.nasm.si.edu/udvarhazy/

こういう姿で:
http://collections.nasm.si.edu/code/emuseum.asp?profile=objects&newstyle=single&quicksearch=A19500100000

頭の体操として:自衛隊機中国派遣中止を解読する~田中 宇氏
http://www.tanakanews.com/080601SDF.htm
古参幹部が反対したからではないか、というのはありそうだわな。

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