真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

あとを引く柿の種~科学の伝道者に集まる同業者のねたみ「セーガン化」~

2008-11-30 | 読書-2008
さて、林准教授も取り上げておられたが、科学者が一般向け啓蒙書を書いてベストセラーになったりすると、世間における人気が科学界での評価を下げてしまうことがあり、そのような現象を「セーガン化」という旨の記述がある。

赫々たる学者としての業績、社会への影響力などにもかかわらず、全米科学アカデミーの会員に迎えられなかったカール・セーガン(1934-1996)にちなんでデイヴィッド・ラウプが名付けたと主張しているそうだ。
渡辺教授が訳されたラウプの 『ネメシス騒動』(お勧め!!) (5/20関連)にそう書いてあったと引用までされているのだが、あまり普及はしていないんじゃないかなあ...
現象自体は確かにあるようだ。同業者のやっかみというべきものだろう。
渡辺教授がグールド教授に直接聞いた際も、そう断ぜられた由。

「あいつ、素人向けの本なんかでベストセラー出しやがって。」
「テレビなんかにちゃらちゃら出やがって。」
「相当稼いだんだろうな。」
~というわけなのだろう。

「研究の方、ちゃんとやっているのかよ」と難癖をつけたりするが、そう指摘するセンセイよりもよほど業績をあげていたりして?
社会の理解やそれを基にした納税者のサポートが研究の根を支えるということはあるだろう。
社会の理解を得られない孤高の学者の研究が本人の死後理解されて・・・というケースももちろんあったわけだが、社会を味方につけた方が研究の推進にも有利でしょ。

善男善女も科学マインドをしっかり持っていないと、おかしなものに引っかかったりするでしょうし、いざという時に自分の身を守れないケースも出てくるでしょうな。
バリバリの若手科学者が怪しい教団に取り込まれてしまったのは、また別の話か...

aozora.寺田寅彦『柿の種』全文!
柿の種は全然知りませんでした。失礼しました。

‘賢妻’の夫asahi.2007122 ‘雑誌「科学」に科学エッセイを連載開始’というのが本書になったのね!

『太陽系はここまでわかった』のリチャード・コーフィールド(11/15参照)は、グールド教授の科学エッセイをアメリカの高校生必読と書いていたっけ。
あの高度な話がどのくらいの高校生に分かるのか、と思わないでもないけど。分からなくても、それをきっかけに一人でも多くの若者が科学の心を持ってもらえれば、ということなのかな。

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