真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『日高敏隆の口説き文句』

2010-09-25 | 読書-エッセイ/小説etc
日高敏隆の口説き文句
小長谷 有紀 山極 寿一【編】
岩波書店
(2010/07/28 出版)

ユカイな人生。
子供のころはとても辛かったようだけど。

「口説き文句」というのは、故人が色々な人達に新しい分野に挑戦することをけしかけたりしたことを指すのかしらん(版元の紹介文のように)と思って読み始めると、文字通りの口説き文句だったりもする。
近年稀にみる秀逸なタイトル。

留学中に相当活躍したという(留学生仲間の岸田秀氏の)証言とともに、フランスの女子学生とドイツのそれに対してはコツが違うのだと、後年お気に入りの女性研究者(編者)に聞かれもしないのに語るセンセイ。

弟子による追悼論集ではなくて、影響を受けた多方面の人々がそれぞれ個人に感謝しつつ振り返る文集・・・。

編者は直系の弟子ではなくて、モンゴルを研究する人類学者と、ゴリラを研究する霊長類学者だもんな。

故人が若い頃に岩波書店でアルバイトしていたのは知らなかった。
「岩波書店に勤務しながら夜間は大学で研究を続ける」という紹介の表現に、岩波の思い入れが表れている。

「キキ夫人」が女優だったというのも知らなかった。

原田 英男さんからの、短くてタイムリーなメッセージ:部類⇒無類

うっかりすると(というか、普通のヒトがやると)大セクハラ事件になりそうなことも、さらりと受け入れられてしまったらしい、特別な存在。

山岡亮平氏(「アリ指導」の!)が『ネコたちをめぐる世界』[日高1989年]を語った「ネコの世界でももてたかな」がとてもよかった。

その反対(とてもよかったの反対、の意)は、松井孝典氏がご高説を延々と開陳する章。
自らの画期的な説(独自の視点の文明論・・)を思いついたシンポジウム登壇に際して日高氏と同席した云々という書きだしで、故人の思い出なりをさらに語るのかと思いきや。
やれやれ・・。

日高本の再読もしてみなければ・・・。

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