真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

城山三郎さんも泉下でたじたじ?―日本人の刷り込みを修正する「悲劇の宰相」の実像

2008-12-06 | 読書-2008
ndl/近代日本人の肖像-広田弘毅

『広田弘毅―「悲劇の宰相」の実像』
服部龍二/中央公論新社/2008年6月

政財界に城山三郎ファンは多く、『落日燃ゆ』に感動したっ!という偉い人々も数知れず。
ほとんど刷り込まれているといっても過言でない?過言?ま、いいか。
ところが、最新の研究では・・・・とその評価を大いに揺さぶる。

著者も城山作品を「歴史小説としてはよくできている」と敬意を表しつつ、お父さんたちからの「(俺が感動した)城山作品ではそうは書いてなかったぞ」という反論も考えて?丁寧に史料批判を行う。
なんせ、『落日燃ゆ』に言及していない本書の紹介が見当たらないことからも、避けて通れないわけなのだろう。
そもそも、著者が広田を意識したのも学生時代に読んだ城山作品を通じてであるようだし、本書執筆の動機も、日本人一般の広田観の修正が必要だとの考えからであるようだ。
序章とあとがきで『落日燃ゆ』にしっかり言及。
ご苦労様

城山三郎『落日燃ゆ』についての最近の評価の一例 「戦後日本人の心情的自己弁護」
~‘現在の学界では、そういう心情的な広田弘毅論はまったくといっていいほど認められていない’
のだそうで。

asahi/200808『落日燃ゆ』と異なる広田弘毅像[評者]海野弘

外交官の後輩(だった方)によるご感想:amakiblog/2008/08/25

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 戦跡サクラガオカ~『要塞列... | トップ | 無言館の饒舌な館主が奮闘す... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書-2008」カテゴリの最新記事