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シダンゴ山は丹沢山塊の前衛に位置する標高800メートルに満たない低山。しかし、その頂上は平坦で視界を遮るものがなく、360度の展望を楽しめる山として、子どもから高齢者まで幅広い年齢層のハイカーに親しまれている。 私がこの山に初めて足を踏み入れたのは十数年前のこと。山菜がたくさん採れる穴場として雑誌に紹介されたのがきっかけで行くようになった。当時は毎年のように、ゴールデンウィークになるとシダンゴ山に出かけ、タラの芽やセリ、ノビルなどを採取し、河原で天ぷらにして食べたものだ。 今年は山菜採りにはちょっと早いが、花見を兼ねて登ってきた。 冒頭の写真は、寄(やどりき)自然休養村管理センターに展示されている鹿の剥製。後方にはタヌキやキツネなどもいる。 ![]() 管理センター前の広場に咲く桜。今がちょうど満開の時季だ。これにあわせて“松田桜まつり”というのが開催されていた。 ![]() 地元の奥さんたちが共同で出店していたイベント会場。そこでは地場産の野菜が格安で売られていたが、これらを買いザックに詰めて登るほどの元気はない。 試食用のホウレン草を生で頂き、まずは“桜まつり”の会場へ。 シダンゴ山とは逆方向になるが、15分ほど歩けば樹齢150年の枝垂桜を眺めることができるという。登山前の準備運動代わりに行ってみることにした。 ![]() その枝垂桜ははるか山の上にある。途中、登ってきた道を振り返ると、眼下に寄自然休養村管理センターと広場が見える。 枝垂桜はこの先、まだまだ上に登らなければならない。準備運動にしてはかなりハードだ。 ![]() 急斜面を利用した茶畑の間に菜の花が咲いていた。 ![]() 路傍の紫大根。 ![]() 土筆も群生している。コンロ、コッフェル、調味料を持ってきていれば、これらを採集して醤油煮にするところなのだが…。 ![]() 茶畑の広がる丘を登りきると、川魚を焼くいい匂いがしてきた。頂上には花見客目当てに、イワナの塩焼きや蓬ダンゴ、缶ビールなどを売る屋台が数軒。串焼きを食べながらビールで喉を潤したいところだが、先のことを考えてここはぐっと我慢。 ところで、樹齢150年という枝垂桜はどこに? それは丘の上ではなく、ここからさらに下った、かなり下方にあった。こりゃあ、傍まで見に行ったらもう一度登り返さなければならない。登山前に疲れてしまいそうなので、頂上から眺めるだけで切り上げ、いま登ってきた道を引き返し、シダンゴ山登山口へ向かう。 ![]() 登山道の大半は、杉やヒノキの樹林帯の中にある。だから途中の展望はまったくない。ただただ、花粉を浴びるだけ。 杉の木を蹴飛ばしながら、最後の花粉を振り落として歩く。 ![]() かなり登ってきたところで、車が走れるようなこんな道が現れた。 なんだっ、これは! ![]() しかし、コンクリートの道路はここで途切れている。 ![]() ここから先は、狭い登山道なのである。いったい、この道路は何のために造ったのだろうか? 植林のためなのだろうか。 ![]() 最後の急登。いや~、メタボな身体にはキツイ。一気にペースダウンする。 ![]() 我慢して登り続けていくと、やがて視界が開け明るい雰囲気が出てきた。頂上はもう間もなくである。 ![]() 12時20分、登頂に成功! 標高758メートル、シダンゴ山の頂上だ! 彼方にはまだ雪の残る鍋割山、塔ノ岳などが見える。 ![]() 左へ眼を転じると、真っ白な富士山が間近に迫って見える。だが、私のボロカメラと下手な腕では、その素晴らしい景色を切り取ることができなかった。 正面の山の左側に富士山が写っているはずだったのに…。 ![]() 眼下に広がるのは秦野、松田の町並み。その向こうには相模湾が霞んでいた。 ![]() 頂上に群生するアセビ。有毒植物であり、この葉っぱから殺虫剤が作られる。漢字で「馬酔木」と書くのは、馬が葉を食べれば苦しむというところからきているそうだ。 ![]() お待ちかねのお食事タイム。今日のメニューは… ・ポテトサラダ魚肉ソーセージ入り ・ゆで卵 ・春巻き風 ・肉団子 ・焼肉 ・卵焼き ・ワンカップ大関 そして… ![]() 横濱チャーハン! さらに、宝焼酎の烏龍茶割り! ![]() ふたを開けると、シウマイ、唐揚げ、メンマ、そしてチャーハン。 グリンピースが11粒。7粒ではない。11粒だ。 どうやら、“丼モノには7粒のグリンピース説”というのは、蕎麦屋の丼だけであって、この手の弁当には適用されないのかもしれない。 ![]() 山頂の祠には、まだ封を切っていない八海山の四合瓶が! あああ、呑みた~い。 けど、コレに手を出しちゃあダメ。下山してから呑もう。 ところで、シダンゴ山とはまた妙な名前であるが、その由来を書いた碑が祠の横に建っていた。それによるとこうだ。 ![]() 碑の中にボワ~ッと写っているのが仙人。 山の午後は、陽の暮れるのが早い。午後2時半、麓のバス停に向けて下山開始。 途中、これから登っていくアベックに出会う。こんな遅い時間帯に山へ入って大丈夫なのかね。しかも街を歩くような格好。持っているものはザックではなく普通の手提げバッグだけ。帰りはたぶん真っ暗な樹林帯の中を歩くことになりそうだ。 声をかけてあげたくなったが、挨拶だけですれ違う。 ![]() 帰りのバスの切符。四角い紙ではなく、この富士急バスガイドリカちゃんの人形が切符代わりなのである。 ただし、これを支給されるのは現金払いのお客さんだけ。パスモの方は貰えなかった。 ![]() 松田駅前の「マニラ食堂」。毎週のように丹沢に登っていた頃は、いつも帰りにここで打ち上げをしていたっけ。懐かしい食堂だ。 しかし、この日は開いていなかったので、そのまま横浜へ帰った。 家に着いてパタパタと服を払うと、埃っぽい粉が舞った。どうやら杉の花粉のようだ。 おかげで、このところ鼻の調子がおかしい。やっぱり樹木を蹴飛ばすんじゃなかったか…。 ![]() 「ハマる横浜中華街」ランチ情報はコチラ⇒ ![]() |
ここは、営業しているのかどうか、ちょっと分かりませんよ。前回も閉まっていましたし。こんなはずないのですけどね…
それにしても思い出すなあ、ここには下山してきた人たちが大勢、打ち上げをやっていたなぁ
表尾根から塔ノ岳登頂の後に、鍋割山、栗ノ木洞を通り、松田町の寄バス停まで大回りして新松田に出たのですが…、残念でした。
廃業しちゃったんですかねぇ。余計な写真を載せてしまって申し訳ありませんでした。秦野に下りれば楽だったのに、ずいぶんと遠回りしちゃいましたね。
ま、それにしても残念です。いい食堂だったのに…