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3月21日は祝日だったのだが、時間の限られている仕事や作業があったため、10時ころ出勤した。 誰もいない事務室で仕事を片付け、なんとか終了したのが2時ころだったろうか。このまま家に帰って昼飯を食べようと思ったのだが、午前中の作業で汗をかき喉が渇いていたので、旨いビールを呑んで行きたくなった。 向かったのは広東道にある「隆蓮」だ。 ツマミは春巻き。この店が素敵なのは、こんな出し方をするところだ。皿に直置きするのではなく、レースのような紙が敷いてあり、春巻きはその上に鎮座している。 さらにパセリとピンクの花が露払いの役を担っているのも嬉しいね。 横にある本は店主のおすすめ『3度のメシより!?レバニラ炒め』。なかなか面白い本だ。 ![]() このブログでも何年か前に「レバニラ論」なんてシリーズを仕掛けている。その狙いは「レバニラ」なのか、それとも「ニラレバ」なのかという、料理名の決着にあったのだが、いまだ完結せず中途半端な状態のままである。 それなのに、最近は謎のバンメンという中華そばにこだわり始めてしまい、ますます和風中華の迷宮にはまり込んでしまっているのだ。 中華街でこのバンメンがあるのは「清風楼」のみ。あとは横浜でも中区、南区、西区あたりに垣間見える程度だ。 横浜のご当地ラーメンと言われるサンマーメンの場合、それが食べられるエリアは関東からフォッサマグナあたりまでという、割と広い範囲なのに対し、このバンメンは中区・南区・西区以外だと長野と茨城、東京で数軒やっている程度。 ![]() これが「清風楼」のバンメン。漢字では「拌麺」ではなく「辨麺」と書く。容貌を見ても分かるとおり、よくある「あえそば」ではない。どこか「五目ソバ」のような、あるいはチャンポン麺のような雰囲気だ。 「清風楼」ではドンブリではなく、冷やし中華などに使うような浅い容器に入れているが、他の店に行くとドンブリだったりする。 また「玉泉亭」では同じ名前で出しているのに、卵とじになていたりするから、素性のよく分からない麺料理なのである。 「隆蓮」の店主もこのソバに興味を持ってくれたようで、中華料理の歴史に詳しい料理長にも訊いてくれたりしている。 それによると、煮込みソバにあんをかけたものがルーツではないか、などという推測も出てきたが、その由来、歴史はまだまだ不明だ。 ただ、本牧方面では「三溪楼」、「奇珍」、「華香亭」、「玉家」、「榮濱楼」など、かなりのお店で提供されている。しかも「奇珍」、「華香亭」、「玉家」といえば、本牧中華の老舗御三家だ。 発祥の地は、どうも、本牧あたりが怪しい…… こんな謎のバンメンのお話しをしながら、ビールから白酒(パイチュウ)に切り替えた。となると話題は必然的に茅台酒に代表される白酒に。 透明な酒で、いわゆる中国の焼酎というやつだ。『水滸伝』では豪傑が何杯も呑んでいるが、アルコール度数は50度以上ある。 昼間ということもあって、これ一杯で相当効いてしまった…… ![]() 白酒に関するうんちく話を聴いていると、店主がこんな壺を出してきた。 「富裕老窖」。白酒だ。アルコール度数も高そうだが、お値段も高そう…… 酒というものはそもそも、容器の中の液体を発酵させるのが普通なのだが、中国の白酒は土の中で、しかも水を使わず固形状で発酵させるというから凄い。 その作り方はこうだ。 まずコーリャンや小麦などを粉砕し、湿り気を与えたあと蒸す。これに麹を加えて発酵槽に移す。 この発酵槽というのが「窖(チイヤオ)」という土の中に掘った穴なのである。 そこに材料を入れたらムシロと土を被せて発酵させる。 10日から1か月したら、中の物を取り出し、蒸留装置で蒸す。その蒸気が冷却されて蒸留酒ができあがる。 白酒の等級は発酵期間や「窖」の古さによって決まるという。長く使っている「窖」ほど良い酒ができるそうだ。そういう古い「窖」を「老窖(ラオチイヤオ)」と呼ぶ。 以上の話は『酒に謎あり』(小泉武夫著)という本に書いてあったことだがね。 次回はビールではなく、最初から白酒にするかな。だとするとツマミは、梁山泊の連中がしばしば食べていた“茹でた牛肉”だな。 ![]() |
私は2グループに分かれるような気がします。
1:「撈麺」「拌麺」
2:「辨麺」「バンメン」
1のグループは汁気が少なく、2のグループはある程度以上の汁がある、そんな感じではないでしょうか。
仰るとおり、店によって容貌が全く異なります。
同じ名前でこんなに内容が違う麺料理なんて不思議です。
「撈麺」「辨麺」「拌麺」「バンメン」と
似たような名前の品はいろいろあるのですが、
明確な線引きがあるようには見えていません。
「バンメン」「撈麺」「辨麺」「拌麺」くらいの順で
汁気が少なくなる傾向があるような気がしていますが、
お店によって結構違っていて、これも確実ではないです。
長崎中華街でも「拌麺」を見かけて食べたことがあります。
普通の和え麺のようなものから、チャンポンスープで
和えたものなど店によって様々です。
神戸中華街付近でも「辨麺」というのを見かけています。
その時食べた店では汁気の殆ど無い混ぜ麺タイプでした。
福島県喜多方市で見かけた「上海拌メン」という品は
他の地域で見た品とはまるで違う独特のものでした。
というわけで、全く収拾が付いていません。
いつかはデータをきちんとまとめたいところですけど。
私としてはこれらの起源と伝搬ルートは多数あるのではないかと思っています。
あ、ところで、「奇珍」は今夜も営業してましたよ。
私も行ける範囲の店をいくつか訪問して食べてきましたが、
見た目の姿が相当に異なることに驚いています。
よく分かりませんよねぇ。
むかしなら強い酒、数杯は呑めたのですが、
いまは無理ですねぇ・・・
癖があって強すぎて、喉が焼けそうで、
凄い酒ですね。
60度の泡盛を呑んだことがありますが、
あれより強く感じました。
ほんとですか!?
昨日、本牧方面に行ったのですが、
奇珍の前を通らなかったからなぁ…
ちょっと癖がありましたが、馴れてしまえば…
アルコールので、私には蟻に砂糖と同じだと思いました。(笑