中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

いその爺さんからお借りした本の著者 秋穂敬子

2015年08月07日 | レトロ探偵団

 いその爺さんから長いことお借りしていた本をやっと読み終え、先日、やっとお返しすることができました。

 冒頭の写真がそれ。
 『支那料理』。
 著者は東京割烹女学校校長の秋穂敬子さんで、昭和10年に発行されています。




 目次に「涼拌」というジャンルがあります。そこに並ぶ料理の日本語表記はすべて「***酢の物」。
 中華スープも日本語では「吸い物」とか「すまし汁」になっています。
 割烹女学校の先生が書いているから、こういう訳になるのでしょうかね。

 ところで、この「東京割烹女学校」、「秋穂敬子」で検索をしたら、いろいろなことが見えてきました。

 秋穂敬子の他に、一族らしい2人の男性の名前が一緒に登場します。
 一人は秋穂益実。
 大正4年に『家庭和洋保健食料 三食献立及料理法』という本を出していますので、おそらく秋穂敬子の関係者なのでしょうね。
 その本の紹介文に、こんなことが書かれています。
 
 私立東京割烹女学校を設立した秋穂益実が出版した料理書。カレーやフライなど西洋料理が紹介され、ご飯を中心にした献立に取り入れようと工夫しているのが特徴

 どんな本なのか読んでみたくなりませんか?
 横浜市の中央図書館に蔵書があるかと思い調べてみたら、残念ながらありませんでした。
 しかし、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで閲覧できます。暑い日に野毛坂を登ることなく、自宅でゆっくり読めるので、こっちの方が楽かも。

 『家庭和洋保健食料 三食献立及料理法』

 この秋穂益実という人の経歴ですが、調べてみると…

 明治31年 帝国海軍士官室割烹係
 明治37年 一般向け和洋割烹講習会開催
 明治39年 陸軍経理学校嘱託教授
 明治40年 東京割烹女学校設立

 ということなので、秋穂益実という人は秋穂啓子の父親なのではないでしょうか。

 もう一人は秋穂英男。
 敬子と共著で本を書いていますので、旦那さんでしょうかね。

 さて、そんな秋穂敬子ですが、久しぶりに『復録版 昭和大雑誌 戦中編』を読み直していたら、ここにも登場していました。
 以前読んだときは内容だけしか頭に入っていなかったんですね、原稿を書いた人の名前に気がついていなかったのです。


 『日の出』(昭和16年7月号)に載った記事です。

 今でも通用するご飯の作り方だと思います。
 っていうか、私ははよく大根飯を炊いていますので…


 発行が昭和16年ですから、まだそんなに欠乏感はないのかな。


 砂糖の代わり。

 干した柿の皮を煎じて、その汁を砂糖の代用品にするんだそうです。 


 ほかに野菜屑の利用法。

 ニンジンの皮なんて捨てちゃもったいないですよ。
 いちばん栄養がある所だそうですから、私はキンピラにしちゃっています。
 大根の皮も同様。

 ということで、お借りした一冊の本からいろいろなことが分かってきました。
 いその爺さん、どうもありがとうございました。


 その本をお返しするため落ち合ったお店。
 屏風ヶ浦にある「あいぐん」。

 中華街関帝廟通りの「愛群」と関係あるのかな…
 

←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね





コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桜木町事件 | トップ | 「華錦飯店」にてウナギ炒飯 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (いその爺)
2015-08-07 14:58:01
おつかれさまでした!m(__)m
本 お役にたてた様で良かったです。

他の中華料理本 数冊当たりましたが弁の字を持つ料理は出て来ませんでした。
謎は深まりますね。

あいぐんバイトの娘さん可愛いかったでしょ?(笑
返信する
なるほど (とも2)
2015-08-08 06:47:23
いそのサンからチラッと聞いておりましたが、この手の本をしっかり読みきられるとは流石ですね (^o^)

あいぐん… 女子バイトの日に当たらないのですよ…
返信する
そうそう (酔華)
2015-08-08 21:16:54
>いその爺さん
もとは弁麺の調査だったのですよね。
あちこと興味が広がってしまってすみません。
弁・・・気に留めておかないと。
返信する
あいぐん (酔華)
2015-08-08 21:18:50
>とも2さん
バイトのオネエサンもですけど、
お店のルーツに惹かれます。
それと屏風ヶ浦駅周辺にも。
返信する

コメントを投稿

レトロ探偵団」カテゴリの最新記事