横浜中華街の占いブーム

世の中、占いブームである。とくに横浜中華街のなかには数十軒の占い店が密集しているそうだ。 　その先覚者は「中華街の女仙」といわれる山縣由布さんで、彼女が始めた店が「鳳・占やかた」。1995年に1号店を出し、現在は６店舗まで増えてきた。 　次に多いのが２０１０年から始めた「占い処　愛梨」。中華街に５店舗を展開している。 　発展会によると、２００７年に３店だった加盟店が、現在では１６店に増加しているという。加盟していない店舗を加えたら、２０，３０軒くらいはあるのではないだろうか。 　一括りに「占い」といっているが、その手法はいろいろある。いちばん多いのが手相占いだ。そのほか四柱推命、算命学、タロット、気学、西洋占星術などなど、さまざまなやり方で占ってくれる。 　両店の鑑定士をみると、ほとんどが女性で、しかも易占をやる方は少ないようだが……。 　 　私なんか、占いというと、すぐにこんな人を思い浮かべてしまう。「当るも八卦、当たらぬも八卦」なんて言いながら、筮竹をジャラジャラやっているオジサンだ。 　中華街では見たことがないが、こんな易者こそこの街にはふさわしいのではないかと思う。易占というのは、五経の一つである「易経」の教えに従って占うものだからね。 　３０００年も前に中国で生まれた易占、本来ならばこの占術が中華街に広まっていてもいいのだが。「易経」を読みこなすのは大変だから、それは難しいのかな……。 　さて、かなりの数の占い鑑定士がここで活動しているようだが、最近は無人の占いも増えてきている。 　こんな「おみくじ」による占いだ。 　足に結ばれた「おみくじ」を見ると、かなり多くの人たちがやっていることが分かる。 　一つでは足りないのか、２台並んでいるところも。 　中華料理店の入り口にもあったりして…… 　こちらは手相占いの前に置かれた「おみくじ」。小遣いに余裕のない学生は「おみくじ」の方で占うのかな。 　さて、鑑定士によるさまざまな占い、そして無人の「おみくじ」ときたら、次は食べる「おみくじ」だ！ 　フォーチュン・クッキーである。おみくじの入ったお菓子だ。横浜中華街では「重慶飯店」のものが有名。っていうか、ほかでは売っていないのかもね。 　クッキーは１個ずつ包装されている。 　それを開封すると、こんなのが出てくる。お菓子の中に挟まれた紙切れが「おみくじ」。英語で「フォーチュン」。 　この占い付きクッキーの歴史については、爺の落書帳に書かれており、そこで触れられている中町泰子先生の論文が興味深い。 　論文：日系チャプスイレストランにおけるフォーチュンクッキーの受容 　このクッキーの中に秘められていた「おみくじ」が、これ。 　セミショートのボブヘアって、ハゲの自分はこれをどう解釈したらいいのか……。 　このフォーチュンクッキーをランチで付けて出したらいいいのにな、って、いつも思っているのだが、そんなことに出会ったことがないんだよね。 　英語と中華、これが似合うのは本牧なのかな。 　以前、本牧の「ムーンカフェ」で食べたホノルルチャウメン。 　ナルトの向こう側に添えられているのがフォーチュンクッキーである。 　やっぱり、こういうアメリカンなカフェで食べてこそ、「西洋おみくじ」を開封する雰囲気が愉しくなると思う。 　ということで、中華街における占ブームの話は、うまく書けなかったけど、本日はこれで終わり。 　そうそう、今日９月９日は重陽の節であり、占の日でもあるそうだ。横浜と占いについては、また次回。 　 　ここからは最近の中華街情報を２つだけ載せておきたい。 　西門通りにあった「酔仙酒家」あと。チャイハネが運営する「欧州航路」というお店が入ったが、予想どおり、その上階は宿泊施設になっている。 　トラベラーズイン。「HARE-TABI」だってさ。 　馬さんの店「龍仙」では９月２３日に、二胡と中国琵琶のライブがあるぞ。 　聴きに行きたいけど、仕事があるからなあー… ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね