これは昭和21年(1946)8月1日の神奈川新聞。 戦争が終わって約1年後のことだ。30機の大編隊が午前7時に沖縄を飛び立ち、鹿児島、長崎、福岡、下関、広島、神戸、大阪、名古屋、静岡、横浜の各戦災都市を訪問するという記事である。 後半では「なお、東京では1942年4月、第1回日本空襲を指揮したドウリットル将軍を記念して命名された日比谷公園(注:ドーリットル・フィールド)の進駐軍用野球場上空で、低空飛行を行い慶意を表する…」なんてことが書かれている。 原爆を落とされた長崎、広島の市民たちは、この光景をどう思って眺めていたのだろうか。もしかしたら、また原爆を落としに来たと勘違いした人たちもいたかもしれない。 横浜市民だって、5月29日の大空襲の記憶がまだ鮮明に残っていたのではないか。他の各都市でも同じだろう。最後は、激戦地の沖縄で空中分列式なんてパフォーマンスをやっている。 赤字で書いた「慶意」って、なんだ? 辞書に載っていない言葉だ。もしかして「敬意」の誤りかと思ったが、そうでもないみたい。 「慶」とは“よろこぶ”とか“めでたい”とか“祝う”っていう意味だ。相手を敬う意味での「敬意」ではなく、大日本帝国に勝ったことを慶ぶための凱旋飛行だったのだろうね。 あれから70余年。今も米軍の飛行機やヘリコプターが日本の上空を飛び回っている。そして最近は、オスプレイまでやって来た……。 戦後はまだ終わっていない。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
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