アジア映画巡礼

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中国語圏映画感動作シリーズ<3>『最後の晩餐』

2013-12-24 | 中国語圏映画

今宵はクリスマス・イブ。皆様、楽しくお過ごしでしょうか。私はついにブルーレイの機器を買ったので、たくさんあるAV機器の結線し直しとか、まだチェックしていなかったブルーレイ・ソフトのチェックとかをしているうちに、1日が終わってしまいました。ブルーレイ、さすがにきれいですねー。こっちを見慣れてしまうと、DVDの線のモザイク具合が気になります。2年後ぐらいには、ソフトはすべてブルーレイになっているかも知れませんね。

さて、この間からシリーズで続けている中国語圏映画の感動作、もう1本のご紹介が遅くなってしまいましたが、面白くて切ない映画『最後の晩餐』のご紹介をしておきたいと思います。『最後の晩餐』と言うと、キリストが処刑される前に十二使徒と一緒にとった食事のことかと思ってしまいますが、クリスマス・イブにこの題名の映画をご紹介するのも何かのご縁のような気がします。では、まず作品の基本データをどうぞ。

『最後の晩餐』 公式サイト 予告編


2013年/中国・韓国合作映画/中国語/103分/原題:分手合約/英語題名:A Wedding Invitation

 監督:オ・ギファン 『ラスト・プレゼント』 
 出演:白百何(バイ・バイホー)、彭于晏(エディ・ポン)、呉佩慈(ペース・ウー)、蒋勁夫(ジアン・ジンフー)

 配給:CJ Entertainment Japan

※2014年2月 シネスイッチ銀座、横浜ブルク13ほかにて全国順次公開

李行(リー・シン/エディ・ポン)と何イ肖イ肖(ホー・チャオチャオ/バイ・バイホー)は高校の同級生。チャオチャオがいつも貧弱な餃子弁当を持ってきていたのを知り、リー・シンが自分のおいしいお弁当と取り替えたのが、付き合うきっかけとなりました。リー・シンは料理が好きで、お弁当も自分で作ってきていたのでした。やがてリー・シンは、チャオチャオのためにおいしいスープを作るようになります。二人は大学に入ってからも仲のいい恋人同士だったのですが、大学卒業後リー・シンがプロポーズすると、なぜかチャオチャオはそれを拒絶します。「あなたって、私の望む条件を満たしてないのよ。分かれましょ。5年後にまた会った時、お互いに独身だったら付き合ってもいいわ」

突然の別離宣言に呆然とするリー・シン。その後リー・シンはコックとして腕を上げ、北京のレストランのシェフとなります。チャオチャオは上海に移住し、食器デザイナーとして、親友の毛毛(マオマオ/ジアン・ジンフー)と共に働いていました。そんなチャオチャオの元に、ちょうど5年後、リー・シンから電話がかかってきます。でもそれは、「僕、結婚するんだ」というものでした。あせったチャオチャオはすぐ北京に飛びましたが、そこで自信溢れるシェフ姿のリー・シンと、彼の婚約者周芯(チョウ・ルイ/ペース・ウー)とのアツアツ姿を見せられることに...。

あてつけにマオマオを北京に呼び、自分の恋人だと紹介するチャオチャオでしたが、外見はカッコいい青年のマオマオは、実は”女友達”と言った方がいい存在。そしてチャオチャオは、マオマオにだけは心を許し、この5年間の真実を話していたのでした。5年前の突然の別離のわけは? そして、チャオチャオは、本当に好きなリー・シンを取り戻すことができるのでしょうか? 

監督は、イ・ジョンジェ、イ・ヨンエ主演の韓国映画『ラスト・プレゼント』 (2001)で観客の涙をしぼったオ・ギファン。そう、この作品は韓国人監督が、中国人女優のバイ・バイホーと台湾人男優のエディ・ポン主演で作り上げた、中・韓合作映画なのです。ネタバレになるので書きませんが、『ラスト・プレゼント』のストーリーとも共通する点がいくつかあり、また、バイ・バイホーがこの作品の直後に主演した『被偸走的那五年』ともラストなどが共通する、泣かせる映画になっています。『被偸走的那五年』を先に見ていた私は、バイ・バイホー演じるチャオチャオにデジャヴ感を感じてしまいました。

バイ・バイホーは2006年にドラマ・デビューを果たし、2011年に大ヒットした映画『失恋33天』で人気が沸騰、庶民的なアイドルとして今中国で一番輝いている女優です。1作ごとに演技力もアップ、『最後の晩餐』では、『失恋33天』で見せた現代っ子の飾り気なさに加え、ツンデレ彼女のチャオチャオが垣間見せるしっとりとした女性の一面が大きな魅力になっています。『被偸走的那五年』ではこのしっとり度がさらにアップするのですが、『最後の晩餐』ではその成長過程を目にした感じで、個人的にもとても引き込まれたのでした。

そんなバイ・バイホー演じるチャオチャオの魅力をさらに引き立ててくれるのが、エディ・ポン演じるリー・シンと、ジアン・ジンフーの演じるマオマオです。特にマオマオは、コミ・キャラになるところをうまく踏みとどまっていて、時にはリー・シンよりも素敵に見えることも。1991年生まれでまだ22歳のジアン・ジンフー、これまで2、3作しか映画に出ていないのですが、これから人気が出るかも知れません。

そしてエディ・ポンは、歳月の移ろいもうまく体現していて、これまた素敵です。高校生のリー・シンと、シェフのリー・シンとでは、顔つきもがらりと変わっていて目を見張らされました。ここのところ、『TAICHI/太極 ゼロ』 (2012)と『TAICHI/太極 ヒーロー』 (2012)のDVDリリース、『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』 (2012)の公開、TIFFでの『激戦』 (2013)の上映など、エディ・ポンの作品が次々と日本で紹介されています。そういえば、台湾のテレビドラマ「あすなろ白書」のプロモで来日したエディ・ポンを、余文樂(ショーン・ユー)と共にインタビューしたのが2006年。そのインタビューが載った「POP ASIA」2006年8月号を取り出して見てみたら、とってもカワイイ顔をしたエディ・ポンが写っていました。この頃と比べると、成長いちじるしいですねー。

そんなエディ・ポン、今回特別にクリスマス・メッセージを公式サイトに寄せてくれています。白いTシャツに黒のハットはちょいクリスマス向きじゃないけど、英語と日本語とで一生懸命語りかけてくれています。英語はさすが、カナダで成長しただけあってきれいですね。このメッセージ、12月27日(金)までの限定公開だそうなので、お早めに上記の公式サイトにアクセスして下さいね。英語が聞き取りにくい場合を考えて、メッセージを書き起こしておきます。

「 Hello everyone.  I'm Eddie Peng.  日本の皆さん、こんにちは。  My new movie "A Wedding Invitation" is coming out.  Thank you so much.  And I hope you guys will love it.  楽しみにして下さい。Merry Christmas !」

では、私も、「聖誕快樂(メリー・クリスマス)!」

 


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