アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ノベライズ本「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」について

2017-01-20 | インド映画&宝塚歌劇

あっという間に1月18日(水)の千秋楽が来てしまった、宝塚星組公演「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」。惜しいなあ、と思っていたら、同じ頃に再演の発表がなされたのですが、今見たら取り消されているようです。何か問題があったのでしょうか。決まればこちらの宝塚のサイトに発表されると思いますので、チェックしてみて下さいね。

ところで、東京国際フォーラムの公演をご覧になった方は、会場入り口に設けられたショップで、プログラム始めいろんなグッズや書籍をお求めになったことと思います。その中に、ノベライズ本があったのに気がつかれたでしょうか。下のこの本です。


私も買って、公演を見終わった帰り道、読み始めました。場面は上手に入れ替えてあり、映画をよく知っている私でも小説として面白く読めます。文章も調子よく、どんどん読み進んでいったら....ん? 映画字幕で使った歌詞がそのまま書いてあります。歌詞部分だけ、地の文の明朝体と違うゴシック体で書いてあるので、全体から探してみると3箇所、3曲の歌詞が使われていました。字幕翻訳者(私です)への使用許可願いもなかったし、と、本をあちこち見てみたのですが、その部分が字幕からの引用だ、とどこにも明記してありません。う~ん、これは困った。

というわけで、奥付に「協力:アジア映画社」という意味のことが書いてあるのを幸い、アジア映画社さんに尋ねてみました。すると、アジア映画社では早速出版元のかざひの文庫に問い合わせて下さり、すぐにかざひの文庫の責任者の方からご連絡をいただきました。とても誠実な内容のメールで、勝手に書き写して引用したことと、引用だというのを明記していなかったことを詫びて下さり、「増刷になりましたら、奥付にクレジットを入れさせていただければと思っています」と書いてきて下さいました。その後メールをやり取りし、書き写し間違いもあるので、増刷になった時にはそれも訂正して下さることになり、現在かざひの文庫のHPには次のような「お詫び」が載せられています。

§  §  §  §  §  §  §  §  §  § 

発売中の『オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻~』において、クレジットの表記漏れと引用歌詞の誤記がございましたので、ここにお詫びするとともに、追記・訂正させていただきます。

※本文中に掲載のゴシック体の歌詞部分は、映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の日本語字幕(字幕翻訳 松岡環)をそのまま引用させていただきました。 

(クレジット追記)

引用字幕翻訳/松岡環 

(引用歌詞の誤記の修正)

●P.93、1行目 (誤)どんな言語も見当たらない → (正)どんな言語にも見当たらない

●P.199、5行目 (誤)密かに或る娘に恋をした → (正)秘かにある娘を愛してた

●P.201、9行目 (誤)泣くことがある → (正)泣くことになる

 §  §  §  §  §  §  §  §  §  § 

これにて1件落着で、やれやれです。誠意ある対応をして下さったかざひの文庫様、迅速に仲介をして下さったアジア映画社様、どうもありがとうございました。

この記事を書くために、途中になっていたこのノベライズ本を最後まで読ませてもらったのですが、スラスラ読めて面白く、セリフのリライトなど、こうやるのね~、と勉強になりました。映画では省略してある繋ぎのストーリーが書かれていたり、ちょっとした説明が加えてあったりと、著者のご苦労が偲ばれます。ノベライズ本を書くのも、いろんなテクニックが必要なことがわかりました。ただ、本文中にも一部、本作の舞台が「デリー」になっていたり(P.44)等々、ちょっと変な箇所があるので、それも増刷時に直して下さらないか、お願いしてみようと思います。と書いておいてから本の購入をお勧めするのも何なんですが、「どこが違っているのか発見してみたい(^^)」という方もいらっしゃるかと思いますので、アマゾンのアドレスにリンクを張っておきます。

宝塚の舞台も原作からの脚色が実に巧みで、さすがプロ中のプロ、と思ったのですが、あの公演をインドで見せたらインドの人は大喜びするに違いない、とも思いました。宝塚の海外公演はアジアでも昔から行われていて、1973年の東南アジア公演(ビルマ(当時)、マレーシア、シンガポール)を皮切りに、タイ、香港、中国、韓国、台湾でも公演が行われています。「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」がインドで凱旋公演とかをやったら、大きな話題になると思うのですが、いかがですか、外務省様&国際交流基金様。「Cool Japan」の次は、「Takarazuka」ですよ!
 



コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初春に登場ユ・スンホ『キム... | トップ | インド映画自主上映会:テル... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Madhubala様 (cinetama)
2017-01-22 16:43:18
コメント、ありがとうございました。

やはり、インドをご存じの方や、時代の推移について敏感な方は、「あれ?」と思われる箇所がありますよね。
バイブの携帯電話や電子キー、IDカード@30年前、そして空港名の間違いなどの諸点、増刷時に直していただけたら、と思い、出版社の方にお知らせしておきました。
誠実な対応をして下さる出版社なので、検討して下さると思います。

ムケーシュは、映画版でもファンが続出しましたが(特に、エンドロールのウィンクにやられた人が多かったです)、宝塚版でもワルぶりも含めてカッコよかったですね。
私は上にも書いた、影とのダンスシーンがぜひもう一度見たくて、DVDを心待ちしています~。
返信する
ノベライズ (Madhubala)
2017-01-22 11:17:32
私もこのノベライズ買って読みました
学生の頃読んでいたライトノベルみたいでサクサク読めてしまいました
ただ、内容が何だかインドというより東京だな…と思ってしまう箇所や映画の字幕そのままなんだけど、大丈夫なのかな?もチラホラあり少しモヤモヤしていました
そのあたり解決されそうで、ホッとしています

マサラ・ミュージカルとても素敵な舞台でしたね!
ムケーシュが格好良くて、悪役だけどムケーシュなら!なんて思ってしまった程です
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画&宝塚歌劇」カテゴリの最新記事